ストレス解消から爆笑まで! 漫画のぶん殴りシーン7選
更新日:2016/05/02 10:00
憎っくき敵やしのぎを削るライバルをパンチ一発でやっつける――そんな漫画のシーンは、見ていて、ストレス解消になりますよね。
そこで今回は、数ある作品の中から、とくに際立っている“ぶん殴り”シーンを厳選。バトル漫画の王道パターンをはじめ、哀愁漂うものやゲスいもの、もはやパンチですらなくビンタなもの…など、ジャンルを問わず幅広く紹介します。
“ぶん殴り”といえば、やっぱりバトル漫画!
■「バキ」 (板垣恵介/週刊少年チャンピオン・秋田書店)
ヤクザ・花山薫 VS 死刑囚・スペック
壮快度:★★★★☆
(c) 板垣恵介/週刊少年チャンピオン・秋田書店
屈強な男たちが延々とぶん殴り合いをしている漫画「バキ」 (板垣恵介/週刊少年チャンピオン・秋田書店) から。
ケンカにおいて「武器は使わない」「ノーガード」を貫くヤクザ・花山薫に対して、拳銃・特殊警棒・閃光弾など、気持ちいいくらい非道な手段で攻撃してくる死刑囚・スペック。しかし、花山は一切ひるむことなく素手のみで応戦し、威力十分のパンチを何度も浴びせます。
このシーンでは、渾身の一発で背後にある街灯の頂点まで殴り飛ばし、スペックは感電のおまけ付き。汚い手を使う敵に対して、己の美学を貫き勝利する――まさに男の中の男ですね。
■「ONE PIECE」 (尾田栄一郎/集英社)
ルフィ(麦わら海賊団)VS ベラミー(ベラミー海賊団)
壮快度:★★★★☆
(c) 尾田栄一郎/集英社
やっぱり外せないのが「ONE PIECE」 (尾田栄一郎/集英社) ですよね。
「海賊王になる」というルフィの夢をあざ笑ったベラミー。「自分たちの邪魔をしたわけじゃない」という理由から、ルフィは酒ビンで頭を殴られても「このケンカは絶対買うな」と無抵抗を貫きます。「むぅ…こんな奴らルフィの手にかかればイチコロなのに!」とフラストレーションが溜まっていた読者は多かったことでしょう。
そして、とうとうルフィの仲間に実質的な危害が加わった時、ようやく反撃開始。それまで無抵抗だったルフィに対して、「腰抜け」「パンチの打ち方を知ってんのか!!?」と挑発するベラミーを正真正銘のワンパンでKO!!全読者が溜飲を下げた瞬間でした。
■「進撃の巨人」 (諫山創/講談社)
巨人化したエレン VS 巨人
壮快度:★★★☆☆
(c) 諫山創/講談社
大ヒット作「進撃の巨人」 (諫山創/講談社) も欠かせません。
圧倒的な力を持つ巨人に対して、人間たちは「立体起動装置」という兵器でちまちまと戦うしかありませんでした。しかし、仲間とそして自らが窮地に立たされたとき、主人公・エレンがなんやかんやで覚醒、巨人化。
それまでの恨みと言わんばかりに、巨人たちをバッカンバッカンと倒していきます。エレンがなぜ巨人化できるのかは今のところ謎!(2016年4月時点)
「うどん野郎」「ふかしパン」なぜだか哀愁漂う“ぶん殴り”
■「あしたのジョー」 (高森朝雄、ちばてつや/講談社)
失意の矢吹丈 VS うどん野郎・マンモス西
壮快度:★★☆☆☆
(c) 高森朝雄・ちばてつや/講談社
伝説のボクシング漫画「あしたのジョー」 (高森朝雄、ちばてつや/講談社) からは、敢えてこのシーンを。
「矢吹丈VS力石徹」の試合後、とある出来事に責任を感じ、ボクシングを捨て失踪してしまったジョー。同門のマンモス西が説得しに行くも、逆にジョーから殴り飛ばされるハメに。
「うどん野郎~っ」とは、過去に西が減量苦から隠れてうどんを食べていたことを揶揄したジョーの一言。また、西が殴られてから川に落ちるまでを、複数のコマを使ってテンポよく描いているのもいい感じです。
■「哲也 ~雀聖と呼ばれた男~」 (星野泰視、さいふうめい/講談社)
カッパライ VS ふかしパンの男の子
壮快度:★☆☆☆☆
(c) 星野泰視・さいふうめい/講談社
実在した伝説の雀士・阿佐田哲也を題材にした麻雀漫画「哲也 ~雀聖と呼ばれた男~」 (星野泰視、さいふうめい/講談社) ――ですが、ぶん殴りシーンを引っ張ってきました。
戦後復興期の日本、雑然とした市場で男の子がふかしパンを購入。どこからともなく現れたカッパライが、大人の力にものを言わせて男の子をぶん殴り、パンを奪い去ろうとします。
そこへ居合わせた主人公・哲也が逃走を阻止するものの、そのカッパライの正体は、哲也の中学時代の教官だった。戦争中、「お国のため」と偉そうにしていた教官が、終戦後はただのカッパライに成り下がっていた現実。
それを目の当たりにした哲也は、「俺は あんな負け犬には絶対ならねえ!」と強く決意し、弱肉強食の博打の世界へ足を踏み入れていきます。
“ぶん殴り”ではないけど「ビンタ」や「チョップ」も
■「賭博黙示録カイジ」 (福本伸行/highstone, Inc)
伊藤開司(カイジ) VS 古畑武志
壮快度:★★★☆☆
(c) 福本伸行/highstone, Inc
圧倒的人気…!を誇る「カイジ」シリーズ第1作目「賭博黙示録カイジ」 (福本伸行/フクモトプロ) のきつい裏切りシーンより。
賭博船・エスポワールでの人生を賭けたギャンブル。カイジは生き残るため、あれやこれやと知略をめぐらし頑張ります。 しかし、最後の最後、「裏切れば、カイジはほぼ確実に死ぬ」という状況の中、苦楽をともにした仲間・安藤と古畑は大金に目がくらみ、カイジを裏切りました。しかし、奈落の底に落ちたはずのカイジは這い上がり、二人の前に再び現れます。
まず安藤にひとしきり制裁を加えた後、言い逃れをする古畑にはビンタ一閃。おそらく利き手ではない左手であるにもかかわらず、古畑はだいぶ出血しているため、このビンタ一発にかなりの怒りが集約されていたのでしょう。
そして、トドメに「さえずるなっ……!」の殺し文句。「うるさい!」「黙れ!」ではなく、言い訳には耳を貸さず、相手への憤りを端的に表した良いセリフです。
■「伝染るんです。」 (吉田戦車/小学館)
息子 VS お父さん
壮快度:★★☆☆☆
(c) 吉田戦車/小学館
不条理ギャグ漫画の金字塔「伝染るんです。」 (吉田戦車/小学館) より、息子が放つウルトラチョップです。
「ゴシャ」……!! 致命傷を負ったお父さんの表情がとてもいいですね。息子のチョップフォームもピンと伸びていてキレイです。
「伝染るんです。」 といえば、「かわうそ君」や「カブトムシの斎藤さん」などが人気ですが、この1本もかなりのインパクトを与えてくれました。
以上、ひとえに“ぶん殴り”といっても色んなパターンがあり、ただ殴っているわけではなく、そこに至るまでの背景や人の思いが複雑に絡んでいます。
そんな“ぶん殴り”たちが、時に清々しく、時に切なく、時に面白おかしく、物語を彩り、我々に感動を与えてくれるのではないでしょうか。
あなたの印象に残ったのは、どのコミックのぶん殴りですか? うどん野郎ですか?
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作者
小山喜崇
昼は編集者、夜はイラストレーターとして働く。好きな漫画は、吉田戦車や和田ラヂヲ、漫☆画太郎などのギャグ作品。記事タグ
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