5.0
さすがサーニャ文庫。
愛や諸々歪んでいる。
ゲルハルトの利己主義、卑劣さ、愚かさ、そして執着。
ヒロインが哀れ。
虐げられる連続で、唯一の救いとも言える信仰にも傷つけられ、心を閉じてしまってもおかしくない状況で、それでもゲルハルトを結局許してしまう。
愛なのか、共依存なのか。
ゲルハルトが後悔や懺悔ではなく、愛ゆえの執着からヒロインに告白するところが、癒しかな。
仄暗いですが、構成はしっかりしており、官能的でおすすめ。
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