4.0
閉ざされた国の奇病と美主従の恋の行方
閉ざされたオライエ国に密入国したシンがそこで起こっている悲劇を解決するというストーリー。
縦糸が蔓延している奇病、横糸に主従の秘めた恋。途中、登場人物たちの明るい未来が見えず心が痛みますがハッピーエンドですので!よかったー!!
オライエ家の幼き当主ムスティア(9歳で家督を継いでいま10-11歳ぐらい?)は、豊富な経験と知識を見込んで囚われた旅人シンをもらい受ける。
ある夜、シンは従者ノネがムスティアにキスをしているのを目撃してしまう。驚くシンに、これは医療行為で経口による抗体の受け渡しだと説明するノネ。オライエには発症率9割、致死率6割という子どもがかかる病が蔓延しており、抗体を持つノネはムスティアのドナーでいずれは命を差し出す予定なのだ。
オライエは奇病の侵入防止から隣国から強制的な鎖国を余儀なくされていた。ムスティアはシンのような外部からの知恵を活かして民を救い国を立て直したい、そしてただひとり寄り添ってくれているノネの命を奪うことなくふたりで生きていきたいと、幼い肩に大きな責任と使命を乗せている。
一方ノネはムスティアに心からの忠誠を誓いつつ、身分違いの恋心にさいなまれている。
ムスティアは民を救えるか、ムスティア自身は助かるのか、そしてふたりの恋はどうなるのか…!
1-15話が疫病問題、16話からはムスティアとノネの恋が主題に。7年後、イケメンに成長したムスティアと色気マシマシのノネが互いの気持ちを吐露し愛を交わすシーンは、それまで感情を抑え冷静な振る舞いが多かったふたりが心情を熱くぶつけ合っていてドキドキが止まりませーん!!きゃー!!
文化や医療のレベルがわからずとまどう(ビールをこすことぐらいできるんじゃとか肺の移植はできるのに疫病の原因は不明なんだなとか)とか、なんで使用人をすべて解雇したのか(没落?でも鉱山の開発できるのに?)、シンの身分ならオライエの事情はわかるよね?とか東西南北すべての隣国からシンの身柄を引き渡す要求って変じゃない?(ガルシェだけでよくない?)などいくつか疑問はありつつ、恋愛のみにフォーカスを当てた作品とはひと味違うストーリーを楽しめます。
シンはテキトーであっけらかんとしてて、主人公なのに脇役に徹していて新鮮なキャラでおもしろい。高○純次のノリっていうか(笑)
次作「常夜の楽園」でノネが出てくるのが嬉しいです!
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