夜見の国から~残虐村奇譚~

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あらすじ
別冊漫画ゴラクに連載されていた、漫画ゴラクらしくない残酷劇画『夜見の国から~残虐村綺譚~』。この物語のモデルは言うまでもなく、太平洋戦争中に岡山県の山間部の集落で起こった「津山事件」である。約2時間半で33人を殺した都井睦雄こそが本作の主人公・都居睦男であるということは、その名前を見ても明らかだ。この漫画、前半はネチネチとした集落の因習、ただれた人間関係をこれでもかとばかりに丁寧に描く。その間の村の者の睦男に対するイジメが最悪。心まで蝕まれていく睦男。いや、もしかしたら始めから心は…。まるで殺戮の舞台装置を作るかのように緻密に、執拗に動機を構築し、そして終盤からの殺戮が始まる。百数十頁にも及ぶ大殺戮シーンは容赦がない。血も涙もない…いや、血と脳漿と怒りが炸裂するラストに、読む者は度肝を抜かれるだろう。
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ユーザーレビュー
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5.0
漫画でしか伝えられない真実
レビューを書くのに一ヶ月ほどためらうほど、重く、苦しい作品だった。
事件について知ろうとする時、手っ取り早いのはネット検索。そうすると、心を真っ黒にされる様な、こういう犯罪を面白がる声や、「キモい」の一言で終わるコメントなどを目にすることになる。
文献で読むと、映像で伝わらない部分を補おうと、必要以上に残虐さを誇張したもっとグロテスクな内容になることもある。
内臓が飛び出るシーンなど、衝撃的ではあるが、実写で観るよりはショックは少ない。
バーチャルゲームできれいに人が死ぬ場面に慣れるよりよっぽど、死ぬことがどれだけの苦痛を伴い残酷なことなのかを表していると思う。
私は映画の「ソウ」シリーズなどは絶対に観ない。残酷なだけでいのちの大切さや、加害者の想像も絶する様な、狂気に至る過程への深い洞察がないと思うから。
この恐ろしい作品の裏にある、反戦への祈りやイジメ体質への抗議などをきちんと読み取って欲しいと思った。
とても苦しい思いでいっぱいです。
アナタナラドウシマスカ
という問いに、自分ならどう答えられるだろうか…。by 真早-
22
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4.0
これは実話ですね。
陰鬱な気持ちになります。
主人公のどろどろとした心理描写や、回りの人々の嫌らしさ、性描写の生々しさ。
今現在メンタル元気でいないと死にたくなるほどです。気を付けてください。
希な大量○○で有名な津山事件をモデルにしています。主人公の名前も文字を変えただけ。
脚色は多いのですが、大筋は史実とあっているかと。それだけに暗くなります。
戦時中であったこと、閉鎖的な村落での出来事。暗い気持ちになる漫画ナンバーワンです。差別、病気、貧困、妬み...人間の嫌な面が満載です。
復讐の描写は吐き気を催すほど生々しく残酷です。ただ、私は主人公の立場があまりに哀れに思え、不謹慎ながら報復したいのもやむを得ないか、と思ったくらい。
元々は頭の良い、魅力もある、(漫画では貧乏扱いされていますが)史実によると名家の出身者です。親が亡くなり没落したのです。
病気が全ての元凶。差別は酷いものでした。
優れた青年だったのに。
苛めによって精神も崩壊しました。
人間の価値とは何やを考えさせられます。by セプテンブエラ-
11
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5.0
フィクションとノンフィクションの間
津山事件を下敷きにした作品は「八つ墓村」が有名だが、この漫画は「下敷き」なんてもんじゃない、モロである。
犯人なんか実名だ。
それでいて、あくまで「フィクション」であると明言している。
このスタンスは何なのか。
潔いんだかずるいんだか、よくわからない。
津山事件は、事実としては、ほぼ真相がはっきりしている。
「解決」した事件である。
最悪の解決だとしても、解決は解決だ。
しかし、肝心の犯人の心の中を覗き込もうとするならば、やはり真相は「闇の中」なのではなかろうか。
そういう意味では、多くの事件が、「未解決」であると言えるのかもしれない。
その、形ばかりの「解決」に、解釈という物語を吹き込むのは、フィクションだ。
私はこの漫画の位置づけを、そんなふうに考えた。
その挑戦的なスタンスは、嫌いではない。
という面倒な話は抜きにしても、土着的な舞台の雰囲気作りは実に巧みで、そこで繰り広げられる惨劇には勢いと迫力があり、一風変わったB級スプラッタとして、私は楽しんだ。by roka-
8
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4.0
重たい
かの有名な津山事件をもとに描かれています。主人公の生い立ちが少し違います(もとはお金持ち)が、彼が差別され心を病んで事件を起こした事はこのマンガの通り間違っていないと思います。
これはメンタルが弱ってる時に読んではいけないです。良い作品なんですが。
暗く、重く、心が黒くなります。
ただ1つ不満を言うならやっぱり『カタカナ』!
カタカナ表記が余計におどろおどろしい感じはするんですがいかんせん読みにくいので。☆マイナス1です。by E!!-
0
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5.0
怖い
ずっと読みたくて、暗い気持ちになるのがわかっていたので、躊躇していました。
すごく細かい描写で、どこか主人公に対する好意まで湧きそうになるほど、寄り添った漫画かなと思います。
これが本当なら、戦争がいかに人を狂わせるか、ということに恐れを感じます。
読んでよかった、でも読み返したくは無いですね。by 巴15号-
3
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