ヒメアノ~ル

  • 完結

あらすじ

人生、黄色信号点灯中! ゆらゆらと――ヒシヒシと――けっして交わってはならない2つの世界! ショボくれた青春を送ってきた岡田(おかだ)君。ビル清掃のバイトしかない、モヤモヤした日々。職場の先輩・安藤(あんどう)さんに相談したけど、逆に片思いのお手伝いをさせられる始末。同時期、岡田君の高校時代の同級生・森田(もりた)は、抜け出せない深い闇をさまよっていた――。

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ユーザーレビュー

  1. 評価:5.000 5.0

    こういうふうにしか生きられない

    「こういうふうにしか生きられない」ということの絶望が、古谷実という作家のテーマなのではないかと思っている。
    育った環境も幼少期のトラウマも関係なくて、「決まってしまっている」ことは、あるのだ、と。
    じゃあどうすればいい?
    どうしようもない。
    だから、絶望なのであって。
    そのテーマを「こちら側」から描いたのが「ヒミズ」で、「あちら側」から描いたのが「ヒメアノ~ル」なのだと思う。

    by roka
    • 13
  2. 評価:5.000 5.0

    奇才

    稲中卓球部……好きでした。
    そんなノリでクリックしたら……
    どっぷり一気読みする展開に……

    複雑に絡んだ人間模様が秀逸です。
    そして闇ばかりではなく
    時々爆笑してしまうのセンスは、お見事です。

    ラストは、賛否両論かと思います。
    私は、ホッとした。
    スピンオフで安藤さんのその後、知りたい。
    Mとして開花して欲しい。
    愛で彼女も自分のSに目覚めると思います。

    ただ、感想として
    もしいじめられなければ、森田は目覚めなかったのでしょうか?
    サイコパスは、
    病気であると思うが、やはり環境が重要と思うのです。
    なので、原点回帰するならば
    いじめがあってはならない。
    犯罪が、いけないことであると同じ様に
    いじめも、人の日常を理不尽に奪うことだと
    改めて思った作品でした。


    • 10
  3. 評価:5.000 5.0

    ネタバレ レビューを表示する

    登場人物がどうなるのか気になって一気に読んでしまいました。

    キャラの濃い安藤さんが面白くて声を出して笑ってしまった。

    今迄サイコパスの気持ちなんて考えたこともなかったし、身近に森田くんのような人が居たらどんなに恐ろしいか怖くなった。

    登場人物ごとに話が入れ替わるので、森田くんの話の後に安藤さんの話とかになると、ホッとした。

    飽きずに最後まで読めました。
    最後は一体どんな風に終わるのか…ドキドキしながら読んだけど、納得のいく終わり方でした。
    岡田くん彼女が無事で良かった〜

    こんなに面白いなら、もっと早く読めば良かったなぁー!と、そこだけ後悔。

    by ymyt
    • 8
  4. 評価:4.000 4.0

    犯罪者の心理描写がすごい

    森田の淡々としたモノローグが妙なリアリティがあるのがすごい。
    はじめは岡田君と安藤さんのゆるい日常の不満でゆるくはじまり、交わるようで交わらない隠と陽の世界がずっと隣り合わせで描かれ、物語の後半に行くにつれて森田の闇に話の軸足がシフトしていく展開も優れています。一気読みしてしまいました。
    終わり方は少し唐突に思え、もっと続きを読みたい!と思ってしまいましたが、この話はそう思わせるラストで良いのでしょうね。
    サイコパスは先天的なものなのか、それともいじめによって世界観が歪んで形成されてしまった結果なのか。はっきり結論を出していない点も、読者に考えさせるという意味で成功しています。

    グダグダ書きましたが、面白いです。

    by Hao
    • 7
  5. 評価:5.000 5.0

    安藤が良い

    この作品のテーマや深さについて語るのは自分には難しいのですが、面白くて一気に全部読みました。
    私が言語化できることは、主人公の友人の安藤という男がとても人間臭くて良いということです。
    私は女なのですが、最初この安藤という男が言うなれば「生理的に無理」という印象でした。
    ところが彼が彼自身の殻を何度も何度も破ろうとする姿がものすごく胸を打つんです。
    最初は「きもちわっる!」としか思えなかったこ汚いおじさんが、みるみるうちに魅了的な人間に
    見えてくる自分に不思議な気分になりました。
    彼の殻の破り方は独特で、もともとの思い込みの強さなどからやや独りよがりな部分はあります。
    でもそうやってアクションを起こして他人と関わる中で、世の中のポジティブなものを見つけていく。
    そのたびに自分の独りよがりな思い込みが少し修正され、人と交わることのできる自分に変わっていく。
    「変化していける強さ」…そこに安藤の良さをものすごく感じました。
    ここまで書いていて思ったのは、これは作品中に出てくるとある「悪人」の真逆だなと思いました。
    変われない自分に絶望している悪人です。変わりたいという意志も感じませんでした。
    彼に安藤の姿を重ねると、哀れで悲しく思えてきます。
    なかなかハードな内容でしたが、個人的には安藤というキャラのおかげで勇気をもらいました。

    • 1

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