4.0
何て嫌なことを考えるんだ
大切な人と死別した人間の前に、悪魔だか天使だかわからない少女が現れ、「24時間以内に人を3人殺せば、あなたの大切な人を生き返らせる」という契約を持ちかける、というストーリー。
連作短編タイプの漫画である。
「走馬灯株式会社」の作者が原作で、作画は別の人。
この作画にちょっと癖があり、好みは別れるところかと思う。
ただ、作品の雰囲気には、なかなか合っているのではなかろうか。
話としては、スティーブン・キングの「ペット・セメタリー」的というか、ある意味で究極の選択、という感じのサスペンス。
まあ、人間性を疑われるかもしれないが、私なんかは大して究極でもなく、そんなのサックリやっちゃうだろうな、と思う。
ただ、この漫画の本質的な魅力はその設定ではなく、そこからの展開である。
設定ネタ一本からすごいところまで広げる、というのは、おそらくこの原作者の得意とするところであって、「走馬灯株式会社」のときにも思ったが、この人は、本当に怖いことというか、嫌なことを考えるなあ、というのが率直な感想である。
何もネタバレしたくない。
気になる人は、是非読んでほしい。
ただまあ、打ち切りっぽい終わり方はちょっと残念。
もっと色々なエピソードを読みたかった。
- 3