5.0
友情がパラレルワールドを作り出した?
未来の自分からの手紙。
過去に干渉して未来を変えたら子供が可哀想、子供の存在を犠牲にしてまですること?と最初は思いました。
でも、化学?の先生がパラレルワールドの話をする回を読んで、ちょっとそれについて調べて考えが変わりました。
未来が変わってもそれは枝分かれしてパラレルワールドができただけで、手紙を送った10年後の世界は何も変わらず存在し続ける。たとえ現状は変わらなくても翔がせめてパラレルワールドの中で生きていてほしいと菜穂は願ったんじゃないかなと。
詭弁に思えるでしょうか?私はそう考えたらなんか納得できちゃいました。
高校生の菜穂にはすごく共感しました。未来の自分の気持ちを受け止めて勇気を出して翔に対して行動しようとする、でも迷いが出てできない。そんなことの繰り返し。すごくわかる。等身大の高校生として描かれ成長していく姿に昔の自分を見た気がします。
また、みんなの高校生らしい何気ない会話や行動の中に翔を思う気持ちがすごく感じられます。まるでみんな"知って"いるんじゃないかってくらいに。これはストーリー全体を通して感じられて印象的です。
この作品を読んで、高校のときの友情って素敵だし特別だなぁと改めて思いました。ストーリーが甘酸っぱくて切ないだけにいろんな想いが心の中を駆け巡りました。
未来を変えることの賛否は別としてぜひ読んでほしいです。
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