5.0
すべての妹達へ
不倫のお話と勘違いして、スルーした愚かな自分が恥ずかしい。 読まず嫌いですね。
現代女性の、結婚・恋愛・家族・仕事のお話。それら全てを結婚をテーマに作家のロジックが展開されるが、お話しの技量が有りすぎて、物語に引き込まれ、もう愛とか結婚とかどうでもいいから、仲良くしてくれ。幸せになってくれ。と夢中思考停止。
作者なりの愛と結婚のロジックは提示されますが、読後どうも引っ掛かる。すっきりしない。8巻まで読んでも何かが違う。
何故、姉の結婚なのか。主人公は何故40代なのか。(30代前半に見える)妹との関係性は事件は起きても、ずっと二人の間は
かわらず、安定して姉妹として問題ない。
むしろお相手の男性のほうが、私・僕・俺と変化変容して、不安定極まりない。
主人公も初恋の人、愛人、他人、恋人、妻と立場的に振り回され、目まぐるしい。
フルコースだな、女の一生の。そう思った。あ、これはあれだ。現代版光源氏物語なんだ。主人公は紫の上で、お相手が光源氏。だから、医者で学者でイケメンでモテモテのお金持ちなのか。キラキラ設定納得。
だから島の皇子、海外の皇子編もある。
こんなに全て揃った皇子さまがいても、愛じゃダメなの、結婚じゃないのと主人公。
自分の足で立ち、自分を愛する勇気を持った現代の私たち。昔、女たちは自分の足で立てなかった。名前すら、誰々の娘・妻・母だった。源氏物語が女の歯ぎしりなら、姉の結婚は、女の噛みあとだろうか。
そして、自分の足で歩けるようになった妹達は、どんな結婚をするのだろうか。
これから妹達が素敵な道を歩けるように、光を照らす灯台となれ。ずっと昔、物語が好きだった、女たちへのメッセージ。
未来の結婚の形の為に、現代の象を廃墟となって示してくれたのが、岩谷ヨリ。 全ての妹達が自分の結婚の形を、幸せに作り出せるよう、道を示す灯台となった。
これは不倫でも恋愛でもなく、姉達の結婚物語。これから始まる妹達への贈り物。
未来の結婚の形はどんなものだろうか。
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