4.0
未練の漫画
ちょうど19歳頃の男って性欲の塊ですよね。
大学で一人暮らしになり、高校時代の彼女とはあまり会えなくなり、しかも彼女がH好きじゃないとかで、アッチは欲求不満なのに、変なロマンチシズムで別れられなかったり。
そんな所に、ひょいと現れた年上のお姉さんが、自分の欲望を満たしてくれる。
でも彼女への罪悪感で素直になれないという。
彼女が病気という特殊な条件を除けば、
よくある話。
もうね、浮気する以前に、「自分ばっかり我慢してる」とかいう恩着せがましい気持ちが湧いてきた時点で、とっとと別れてあげればいいんですよ。誰も得しない。
ほんと夏澄の説教がどれもこれも鋭く的を得ていてすごい。
えっちがあまり好きじゃない人は19〜20歳の男とは付き合うべきじゃない。
この話の主人公みたいに隙があれば誰とでもやろうとするから、付き合ったって性病移されるだけで何もいいことない。
この年頃の滾った男は夏澄のように色々と割り切った大人の女性に遊んでもらうのがちょうどいい。
まぁ夏澄も病んでるんだけどね。両親が離婚問題で揉めたって時点で、恋愛依存始まってただろうし。
主人公にとってあまりに都合が良い女を演じることができるのもそのせい。
最後のシーンで、主人公の手には消えない傷と結婚指輪があるけど、夏澄の残したものって何もないんですよね。
そこが花火みたいだという例えは上手い。
綺麗だけど実体がない。
溺れてる海も暗くて、中にいるのは誰だか見えないんです。
主人公には夏澄自身は見えてないってことじゃないでしょうか。
ついでに小秋のことも… 本心が分かった途端、○そうとしたしね。なんで俺が死ななきゃならないんだ、って。いや、しねよ笑
小秋はこの男への執着さえ手離せば、心穏やかに暮らせる気がする。
最初から相手の男など信用せず、力ずくでも捕まえて手綱を握る強い女が妻の座に収まるんですね。
ロマンはないけど、旦那は感謝すべきですよね。どうしようもない自分の子供を命がけで産んでくれるんだから。
最後にすれ違ったのは幻覚か本物か分かりませんが、夏澄にも既に子供がいるでしょう。
短編のようですが、ストーリー自体は恐ろしく遅い展開で、心理描写が長い叙情小説みたいな感じです。
純文学でもそういうのがあるけど、言ってみれば単に、どうしようもないしょーもない男の未練の話です。
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