3.0
王室陰謀話としてはおもしろかった
この作家さんの作品をいくつか読んでいて、若干こねくり回した&説明過多な、だけどおもしろい作品が多いなか、こちらはほか作品にもあるような王室陰謀話だけれど、いい感じにこなれて表現が削ぎ落とされて説明過多もなく、どう展開するのだろうとお話としておもしろかったです。
ただ、陰謀の黒幕部分が個人的には他作家さんの『地味系夫の裏の顔』に似ているなあと思ったりしました。
そして残念なのは、ラブロマンス的なところに関しては、ヒロインの気持ちの遷移が違和感があったりテンポが悪かったりで全体としてリズムがわるいかんじの作品のように見えました。
ヒーローについて「そういう人じゃない 」と理解しているはずなのに何度も疑ったり迷ったりするのも時系列的にもおかしかったり。
ヒロインやヒロイン家族の愛らしさ、それゆえの残酷な末路については刺さる表現と構成でした。
王室陰謀話としてはおもしろく楽しめる作品かなと思います。
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