【ネタバレあり】エクソシストを堕とせないのレビューと感想

恋を知らない少年神父の聖戦記

というのが一巻の惹句。正直、「エクソシストを堕とせない」というラブコメ寄りのタイトルより、こちらの方が内容にはそぐわしいように思います。

バトルにラブコメ、問題定義とかなり欲張った作品。展開が王道でテンポもいいので、ストーリーだけ追う読み方でも充分面白いです。が！それだと交響曲を主旋律だけ聞いて満足するようなもの。できればわからないところは調べるくらいの知的好奇心をお持ちの方に、作者の企み全てを堪能しながら読んで頂きたいです。(ご参考までに、こちらでいうエピソード六十九/ジャンププラスの表示で六十九話のタイトルは「ゲッセマネからの逃亡」です)

サタンと戦えるほどの神の力を与えられ、しかし神の戦士として必要なもの以外は何一つ与えられずに育った少年神父が主人公。原理主義を刷り込まれて思春期を迎えた少年の危うさと成長が、本作最大の魅力であり見どころでしょう。
ヒロインは主人公籠絡の密命を帯びた悪魔、かわいいだけでなく芯のある女性です。
次いでバトル。何せ主人公が強いので、相手になるのは始めから7つの大罪=魔王たち。それぞれに個性豊かな、現代的な解釈でダイナミックに表現されています。蝿の王ことベルゼブブ戦では、虫が苦手な読者にはきついかも、と思うほどの画力を見せてもらいました。
そして各対戦でも幕間でも、テーマが設けられています。キリスト教原理主義、性愛について、マチズモ、強者の孤独などなど。当然のように各話タイトルも凝っていて、読み応え充分。

少しでも気になる方には、ぜひ最初の区切りがつくエピソード9まで、無料解放などの機会に読んでいただきたいです。

神父くんがどうやって奇跡の少年に選ばれたのかはまだわからないけど、魔法と剣とコブシやキックをつかって魔王にたちむかうのが面白い。感情の起伏がないように育てられたにもかかわらず、戸惑いがみえるのが不思議。

保護対象がじつは敵の手先で、純粋無垢なエクソシスト少年を陥落するためにきた淫魔。今後くる悲劇がそうぞうできる。戦闘シーンは魔法の応酬なので、イマイチです。

面白いです

主人公の強いけどどこか危なげな感じも伏線になっています。正直かなりエグい回もありますが、それが世界観を際立たせてくれます。

不快に思われたら申し訳ないです。
最初に読んでみてふと、Dグレっぽいなと思って、これは面白いかもと読み進めてたら…自分の考え過ぎだとは思いつつも、所々にDグレっぽい所があるような気がして、そう言えばクロス元帥は元気なのかな…とかなんか途中からDグレの事ばっかり考えてしまって、この作品の内容が途中から入ってきませんでした。
本当に申し訳ないです。

でも絵は好きです！！