5.0
瞳の中の光
不条理な世の中に生きる2人の青年の話。
ストーリーもキャラクターも絵も素晴らしい先生の素晴らしい作品を読めてよかった。
特に、浩然の眼の描き方が印象深かったです。
真っ黒の瞳
2人が出会ったばかりの頃は瞳に光が入っておらず真っ暗。浩然が自身の感情に蓋をしていたのか、そもそも自分でも感情に気づいていなかったのか。毎日必死に生きながら、でもどこか虚無感を感じていたのか。そういう黒い瞳。千紘も、初めはその瞳のミステリアスさに惹かれたのかな。
光の灯る瞳
千紘と会ってから、ちらほらと瞳に光が入っているシーンが散りばめられてます。なんといっても、黒い瞳に不意に光の灯る作品中盤が私はお気に入りです。千紘がカメラを手にして喜ぶ場面や、プレゼントのネックレスに嬉しがる場面です。
鼻で笑うようなガラクタだと思ったモノ、それを大切にする千紘の姿に浩然が心動かされる瞬間……感動しました。
最後はもちろん二人していい表情で目に光が入っているのだけども。幸せになってほしいです。
- 8