1.0
おもしろいとはおもうけど・・・
新感覚というのでどんなものか無料分だけ読みました。カット割りもいわゆる単子本などのコミックを意識したものではなく、スクロールですーっと流れるように縦の巻物のように読み続けるのはたしかに新しいです。
ただ、この「閉」と「開」が同じ「イラスト」なのにあるキャラクターの心のつぶやきを公開していくのはちょっとうっとおしいかも。こういう心のつぶやきを今までいろいろな形で作者さんはイラストの中に埋め込んできたわけで、これを敢えて言葉にしてみるといろいろとドロドロしているので、気分が悪くなる。別に隠しておくべきものというわけではないんだけど、結局「建前」と「本音」の文化を露わにしているわけで、それを文字として読みたいのか?と思う。おまけに無料分だけだからいいけど、進みは倍遅く(2話とも同じだから)、同じものを二回読み続けることになる。確かにあるキャラクターの心情が文字になっているけど、それをもう一話分かけてまで知るべきものなのか?と思う。有料になったら倍の料金を払うことになるわけだから、ちょっと納得がいかないかも。
扱っているテーマも結構深刻なものなので、作者としては流してほしくない、考えて読み進めてほしいという思いもあるのかもしれないけど、ちょっとお節介な気もする。答え合わせをしているみたいと言うけれど、「答え」ではないと思う。だって「答え」なんてないから。こういう重いテーマをうまく表現している作家さんだっているわけで、そういう意味ではただ重くしているだけのような気がして、新感覚でもうまいわけでもないと思う。ちょっと残念です。
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