僕らの喉にはフタがある
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あらすじ
藤井乙葉(ふじい おとは)は、両親の別居により生活が一変する。妹の琴葉と母と暮らすことになった乙葉は生活を支えるために正社員登用を希望したが、幼い琴葉の面倒を見ながらの仕事は過酷だった。誰にも心のうちを明かすことが出来ず、追い詰められる乙葉。そんな時、乙葉は吃音症の青年、古賀文貴(こが あやたか)と出会い―…。「みんな知ってる」「私を笑わないで」のくるみ亮が描く “登場人物の気持ちを推測しながら読み進める”新感覚マンガ。【本作品の楽しみかた】本作品の各話は「閉(へい)」と「開(かい)」に分かれています。1話につきそれぞれ「閉(へい)」「開(かい)」の2種類の話が存在します。「閉(へい)」→「開(かい)」の順番で読むことで本作を最大限楽しんで頂ける構成となっています。・閉(へい)の特徴心の声を「閉」じた状態でストーリーが進行します。各登場人物の心境を推測しながら楽しんで頂きたい話です。「この場面、この人物はこう言ってるけど、実際はどう思っていたんだろう?」そんな思いを巡らせながらお楽しみください。・開(かい)の特徴誰かの心の声が「開」いた状態でストーリーが進行します。毎話誰かの心境の全てを表現した話です。それに伴ってセリフや絵柄なども変化します。「え、この場面ってこの人物はこんなこと思っていたの!?」「閉」で感じた印象との違いや驚きをお楽しみください。
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みんなのレビュー
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おもしろいとはおもうけど・・・
新感覚というのでどんなものか無料分だけ読みました。カット割りもいわゆる単子本などのコミックを意識したものではなく、スクロールですーっと流れるように縦の巻物のように読み続けるのはたしかに新しいです。
ただ、この「閉」と「開」が同じ「イラスト」なのにあるキャラクターの心のつぶやきを公開していくのはちょっとうっとおしいかも。こういう心のつぶやきを今までいろいろな形で作者さんはイラストの中に埋め込んできたわけで、これを敢えて言葉にしてみるといろいろとドロドロしているので、気分が悪くなる。別に隠しておくべきものというわけではないんだけど、結局「建前」と「本音」の文化を露わにしているわけで、それを文字として読みたいのか?と思う。おまけに無料分だけだからいいけど、進みは倍遅く(2話とも同じだから)、同じものを二回読み続けることになる。確かにあるキャラクターの心情が文字になっているけど、それをもう一話分かけてまで知るべきものなのか?と思う。有料になったら倍の料金を払うことになるわけだから、ちょっと納得がいかないかも。
扱っているテーマも結構深刻なものなので、作者としては流してほしくない、考えて読み進めてほしいという思いもあるのかもしれないけど、ちょっとお節介な気もする。答え合わせをしているみたいと言うけれど、「答え」ではないと思う。だって「答え」なんてないから。こういう重いテーマをうまく表現している作家さんだっているわけで、そういう意味ではただ重くしているだけのような気がして、新感覚でもうまいわけでもないと思う。ちょっと残念です。by えてぼー- 16
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5.0
ちょっと読むつもりが
無料でちょっと読むつもりが止まらなくなりがっつり読んでいます。日常の人との交流で感じることや考えることについて私自身考えすぎかな?考えすぎだといいなと思っていました。この作品を読んだら意外と他の人も同じように考えてるかもしれない、、とちょっと複雑な気持ちになりました。そして面白いのだけれど自分と同じ立場として考えてしまって少し気持ちが暗くなる。とはいえまだまだわからないことが話の中で多いので読み進めていくのが楽しみです。
個人的には大人な滝沢姉弟と伊藤さんの存在や会話にホッとします。伊藤さんの出番もう少し多いとなんか安心するなwキャラが頼りになるお母さんキャラなのでby ゆず0121- 5
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5.0
多様性を認めるSDGs精神が良き!
私は閉と開の進め方は、新鮮に感じます。キャラクターの表情から想像していた事が、合っていたり違っていたり、それが面白いです。進み方が遅いと感じる方もいるようですが、このテーマの作品にはこのくらいじっくり丁寧に描いていくのが合っていると思います。
吃音の方の気持ちが分かるのが良いです。勿論人それぞれ性格によって違うことを踏まえてですが、吃音症の方の中にも古賀さんのように話したいと思っている人もいるのだろうと思いました。
藤井さんを通してヤングケアラー問題や吃音の1つの側面を理解する助けとなる、
多様性を認めるこの時代に合った、素晴らしい漫画だと思います。
藤井さんと古賀さんだけでなく、周りの人もそれぞれ抱えているものがあって、それを掘り下げていきそうな気配で、今後の展開が本当に楽しみです。
くるみ先生、頑張ってください。心から楽しみにしています。by スケオタ- 5
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4.0
喉にフタがあるのって吃音だけじゃないよね
当事者としてはこの作品は待ってました…!って感じ。吃音の作品が作られるたびステレオタイプががちがちに固まっていって、「あなたは違う」と思われてしまうのが怖かったから。
これまで読んだ作品のほとんどの設定はこんな感じ。
吃音の人は暗い。喋りたがらない。オドオドしている。猫背。人生を悲観している。消極的→周りの人の支えで吃音を受容していく。回避、社交不安重め。話すこと以外で生活を乗り切っている。
この作品の古賀さんは
明るくもないけど暗くもない。話したいけど人に気を遣って話せない時がある。基本的に症状を出すときは堂々としている。
おしゃべりではないけど無口でもない。
もちろん上記のような当事者もいっぱいいる。でも徐々に吃音の認知度が高まっている令和にわざわざ書く設定なのかなと思ってしまう。理解されても葛藤してしまう、奥深いところまで丁寧に書いてある。
特に良いなと思うのは吃音がない人でも噛む人はいっぱいいるし、電話が苦手/嫌いな人もいることをさらっと描いているところ。
吃音と噛むことは違うけど吃音を持っていなくても非流暢な自分の話し方に苦しむ人がいるのは間違いない。
「吃音=話すのが苦手」ではなく、「吃音→滑らかに話せない時がある」がよく分かるようになっている。
古賀くんは歌はどもらないけど音痴(らしい)。
吃音→歌なら歌える→上手くてそっちで活躍みたいなわかりやすい(けど雑)設定にしていないのが良い。
普通に見える人もみんな気を遣いすぎたり、心の中で思っていることが言えなかったりする。(社長だけは空気が読めなくてフタがないだけどこれはこれで困っている。)だから「僕ら」なんだよね。
藤井さんは少し私の周りの人に似ている。優しい人ほど優しさや配慮が空回りする感じ。
唯一嫌だった点はルナの彼氏?のフタまで開けてしまっていること。これは見たくなかった。同じシーンを「開」で描くならルナの方で良かった。
dvの人の心の中まで覗きたくなかった。読んでいてすごく苦しい気持ちになったし、何があろうと暴力はダメだと思う。by mikuru510号- 4
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4.0
150話までの感想
「開」「閉」で各話の登場人物がどんな風に思っていたのか、言った側と言われた側の本音が見える進め方が斬新で面白いです。それぞれが抱えている悩みや葛藤、問題がリアル。
子供なのに親の役割を担わないといけないヤングケアラーの乙ちゃん、知能指数がボーダーライン気味のような琉奈、恐らくアスペルガーの気がある社長など、キャラクターそれぞれが自分と向き合って少しずつ成長していく様子が本当に健気で応援したくなります。色々と考えさせられる漫画です。by ちゅいな- 3
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1.0