地獄くらやみ花もなき

あらすじ

罪人が化け物に見えてしまう遠野青児は、古ぼけた洋館で相談所を営む美少年・西條皓と出会う。優れた洞察力と妖しい美貌を持つ皓のもとで、青児はなぜか助手として働くことになり――!?

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みんなのレビュー

  1. 評価:4.000 4.0

    妖怪への執着

    罪人が妖怪に見えてしまう、という特殊能力を持つ主人公が、奇怪な相談所の助手として働くことになる、という話。

    私は幼少期より重度の妖怪オタクなので、はっきり言って妖怪を扱った漫画には厳しい。
    そういうわけで、いきなりオタッキーで偏屈なことを言って申し訳ないが、妖怪という存在には本質的に「善悪」はないと思うので、「罪人」という人間サイドの勝手な物差しが妖怪という姿に具現化される、という設定には根本のところで違和感があった。

    おそらく京極夏彦の影響はあるのだろうが、はっきり言ってレベルが違う。

    ただ、妖怪に対する執着、何としてもそれを描くのだ、という熱意みたいなものは明確に伝わったし、方向性やスタンスは違えど、本作に妖怪に対する愛情があると認めることについては、やぶさかでない。

    by roka
    • 34
  2. 評価:3.000 3.0

    NEW
    90話までのレビュー

    全体評価は星3だけど
    第二怪までは星4、それ以降は星3の評価
    二つに区切ったのは最初は青児と読者がほぼ同じ目線だったのが〝鵺〟以降は青児も謎解きに加わり登場人物が増えた分、説明文がやたら多く推理物としての魅力が少し減ったように思えたから
    絵柄は全体的に綺麗で見やすいもののアップになると人物の区別がつきづらい
    晒と青児のバディコンビが好きな人は最後まで楽しめると思う

    • 0
  3. 評価:5.000 5.0

    NEW
    まりまりM

    絵も綺麗だし話の内容が凝っててとっても面白い。
    地獄に落ちてしまったが故に悪人にならざるを得なかった人の心の葛藤や隙間に優しい2人は気がついてしまうところが心温まったり、なんでーーーー(T_T)という結果もあったり、、、
    そもそも出てくる人全員が深すぎる闇を抱えてる気がする。そこが面白いんだけど(^^)

    私じゃうまく説明できないから、みなさんに読んでもらってこの素晴らしさを体験してもらいたいです。オススメ!

    • 0
  4. 評価:5.000 5.0

    好きな世界観

    ネタバレ レビューを表示する

    妖怪の登場する推理もの…という意味では京極堂シリーズを思い浮かべるところはあります
    ワトソン役の青児くんのキャラもどこか関口巽を思わせる(あそこまで壊れてはいないけれど…)
    この青児くんはとある事情により、「罪を犯したものの姿が妖怪に見える」という特殊スキル持ち
    彼が見た妖怪の性質と、犯人や犯罪の背景が連動して、事件の輪郭が浮かび上がってくるというスタイルです
    犯人や背景が妖怪の姿として見えてしまうというのは、推理ものに於いてはネタバレもいいところなんですが、ホームズ役のシロシさんが魔王の息子で、そのライバル探偵も魔族。魔王の座を争って陰謀が繰り広げられるというサイドストーリーが同時進行していくので、うまいこと情報が錯綜して飽きさせません
    絵は、個人的には原作小説のイラストがとても好きなので、もうちょっと線の細さや繊細さがあったほうが好みではありますが、こちらの絵も、推理ものと妖怪もの、どちらも十分表現できる画力の高さで良きです(これも京極堂シリーズをコミカライズされた志水アキさんの雰囲気にちょっと似てる印象)

    • 10
  5. 評価:5.000 5.0

    好き! ドラマ化はしないで!

    別にドラマ化の話があるわけじゃないけど、この目元の雰囲気とか映像化無理だから!

    著者は人間より妖怪の方により多くの時間と愛情をかけて描いている感じがする。
    ストーリーの組み立て方法にしても(以下は私の妄想です)

    ①描きたい妖怪を選ぶ
       ↓
    ②その妖怪に当てはまる人物像を考える(若い?中年?男?女?)
       ↓
    ③その人物の罪にふさわしい罪は何か?
       ↓
    ④その罪が暴かれるもっとも劇的な展開は?
       ↓
    ⑤それに主人公をどう絡ませる?

    という風だろうか。
    妖怪よりもやっぱ人間の方が怖いよね的な感想では無く、
    妖怪ものやっぱ好きだわ~の感じで読み進めたい。

    • 9

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