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言えばわかった、時もあった
私も無視する前に言うべきことは言おうよと思う方です。でも、無視するしかない気持ちもわかります。心を無にして防御してるんですよね。
無神経、まず文句、お礼を言わない、ほめない、ほめたらその後必ず文句。軽いイジリのつもりで妻にケチをつける。いちいちキレるほどでもないけどイライラは募りますよ。言われないときが一番何もかもうまくいく。ただ、わざと傷つけて支配してやろうという悪意はなかった。だから妻もあの一言が出たんです。
伊東さんの言っていたこともよくわかります。
家が綺麗な時は綺麗好きな俺がうるさく言うからで俺の手柄、汚い時は妻がだらしないからで言い訳ばかりしてる。と思っている男。その『綺麗』のイメージには妻の私物も意見も私室も含まれてはいません。自分だけの思いに沿った家が欲しいなら、なんで結婚したんだろう。
自分がダラダラして予定通り片付けられなかったモヤモヤを妻のせいにして俺はちゃんとしてると自分にアピールしてスッキリ、妻はサンドバッグ。こんな人ほど結婚前には優しくおおらかです。身内になると正体を現します。
このマンガは、言うべき不満を言わない奥さんの話ではありません。
不満があるなら言えばいいと思うまでもなくきちんと言っていた人が、思いやりのなさ・ママに対するような甘え・裏切りを重ねられてこうなっていった、という話です。伊東さんの方はモラハラ夫の話ですね。何を言っても否定なので言う気力もなくなります。抑うつ状態です。
職場でこんな言い方して相手が病んだら即パワハラ認定される行為が、なぜ夫婦間ならお互い様扱いなんでしょうね。基本的にはどう離婚にいたるかの物語ですよ。
主人公のように妻をママ代わりにしていることに気がついて、今度こそ本当に身内も他人と同じように思いやれる大人の男に成長できる無神経男が、果たして実際何人いるものやら。
うちも何度もキレ返してますが結局またですから。人のせいにする病であるモラハラは、治りません。
それぞれが選んだ道には心底納得できました。唯一首をかしげる点があるとしたら、伊東さんの息子さん達も父のモラハラ行為を日常風景として見て育っているため、無意識下に妻にはこうしていいんだと刷り込まれて受け継いでしまっている可能性がある部分ですかね。たとえ夫婦が別れても、子どもにとって親は親ですよ。そこは星一つマイナスしました。
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