4.0
真っ暗な道に連れていかれるようだ
舞台は地方の田舎町。高校生たちや若者、その親たちが悩み、苦しみ、生きている。一人一人の真っ暗な日常と真っ黒な腹の中が現れる。
若者皆一様に田舎を嫌がっている。その点には激しく共感する。閉鎖的で、変化を嫌がる大人たち。自分のもとに子供を留めておきたい。私も本当に嫌気がさした。
しかし、共感できないこともある。
まず、この舞台は、何もない田舎と言いながら、大した田舎じゃない。田舎なめるな。バスが通ってて、自転車こげばコンビニが幾つかあって、ファミレスっぽいとこある。見るからにちょっとした華やかな街じゃねーか。全然田舎の閉塞感が伝わらない。だから悪いとは言わないが、騒いでいるほど田舎じゃない。
そして、自分で行動もせず自分の環境が自分の思い通りに行かないこと嘆き訳いている幼馴染みの子。なんだこいつは。視野が狭すぎる。自分の意思を貫くために、どれ程準備をして家族に向き合う時間を取ったのか。家族の理解と協力が得られない、つまりお金出すからあなたのお好きにどうぞと言ってもらえないから、それを受け入れられずに、駄々をこねているようだ。叶えたいことがあるなら、自分で生計立てみろ。そのあとそれをもとに夢叶えろよ。抱えてるものが主人公とは違う。そんなところが共感できない。作品が悪いってわけじゃない。
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