5.0
虐待父と娘、鎖を断ち切るまでの葛藤
虐待父はもちろんだけど、共依存の母親も有罪。
家族を守り、己を犠牲にする事に心酔していた?
徐々に狂ってしまったのかもしれないけど、一度離婚したのに戻ったのは本当に愚かだったと思う。
子供達の心に消えない多くの深い傷を作り、苦しみを与えた事は、
『子供達を育てるのに必死だった、私も暴力に耐え、たくさんの事を犠牲にした』
では済まない。
だけどそれをわかっているから、最後に慰謝料とかいって、自分の心を軽くしたかったんだろうな。
でもこの母親はきっと、娘が苦しみ抜いて描いたこの作品を読んだとしても、心からの懺悔や謝罪はもう出来ないだろう。
そして性虐待をする父親は、お金をかけて女の身体を育ててるとでも思ってるの?
育ったら自分こそがそれを自由にできるとでも?
娘の尊厳を踏みにじり、抑圧しマインドコントロールする様が目に浮かびぞっとした。
著者が自分の身を守れて本当に良かった。
この類の人間は、人の皮を被った悪魔だ。
(ただ、お母さん詳しくは気づいてなかったのでは?と思う)
可愛らしい絵柄だからこそ、虐待父への憎しみがこもったホラーのような絵が際立つし、心の叫びが伝わってきて感情が揺さぶられる。
よくここまで自分の心を掘り下げて、向き合って、漫画にされたと思う。
またそうする事で心の整理をすることが出来たのかもしれない。
他人には計り知れない部分があるけれど、著者のように虐待に向き合い、負の連鎖を断ち切ろうともがく人達には本当に幸せになってほしい。
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