4.0
桃子さん
絵柄を決して好みではありませんが、何とも人間的魅力に満ちた登場人物に引き込まれました。
以下、ネタバレごめんなさい。
施設内で、たった一人の末期の切望の為に公然猥褻的催事開催。
職の貴賤は無く、彼女の元のご職業も立派な職ではあるものの、医療的機能を要する命の危険がすぐそこにある場所。観客のご年齢・状態を鑑みれば決してすべきではない。言い出しっぺ(しかも事後のデータ報告発表まで願う)施設長さんのお気は確かでしょうか。
しかし、それをさておきお話として、わたくしは同性として桃子さんに惹かれ、憧れました。
彼女の利用者様や同僚へのお優しさや包容力の源は、男性が女性の力を求める心の底にある寂しさや悲しさを理解し慈しみ手を差し伸べる母性であり、それが男性を癒し元気づけ、その女性としての美徳が他の女性達に嫉妬させ敵視させたのだろうなあ。
ただでさえキツイ介護職。職場の半数からボイコットされながらよく勤務をお続けになったなあと、彼女のプロ意識に頭が下がりました。
前職でもおそらく彼女は、最初は蔑まれ好奇な目で視られていた状況を、彼女の努力と、魅力・技・心で崇高な芸術へと昇華させて観客の心を掴み、敬意を得ていらしたのでは。
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