みんなのレビューと感想「大人の問題提起シリーズ さけび」（ネタバレ非表示）

大人の問題

ももち麗子先生のシリーズは好きで昔よく読んでいました。
今回の『大人の問題提起シリーズ』も現実味ありよく書かれていると思いました。

寒気がする

今ではパワハラセクハラを訴えられる時代ですが、昔は上司には一切逆らえず、お持ち帰りされても泣き寝入り。
訴えれば自分の首を危ういような時代でした。
そんな時代を思い出させるようなこの作品は、とても繊細に詳細によく描けていると思います。

読んでいて自分の若い頃を思い出しました。当時の私も主人公と同じでセクハラパワハラに毎日合っていましたがその時はおかしいと思いながらめもそれがハラスメントとは思わず我慢していました。

声を上げるなんて出来る訳もなくただひたすら耐え心が壊れかける寸前に辞めました。

なので主人公のセクハラパワハラに対する悔しさ恐怖怒り憤りに共感します。主人公の逃げずに立ち向かう姿は凄いし応援したくなります。

ハラスメントはいけない

人のいやがることをするな、なんて子供でもわかってる事。早い話イジメですからね。セクハラパワハラで悩んでいる人も多い。

男女平等とは

今ではもうほとんど聞かないセクハラまがいの上司からの圧力
今でもやってたら、即解雇？ですね。
でも20年くらい前はまだまだ普通にあったんですよね。

ももちさんの作品、懐かしくなって読みました。社会問題をよく取り上げられていて、関心します。こういう作品がもっとあるといいのにと思います。

リアルでしたが

円満な職場環境から少しずつ恐怖に晒されていく様子はリアルでした。当時とは違うのかもしれませんが、早い段階で対策をしておけばとも感じました。

私が社会人1年目の時

働いた職場では、いろいろなことがありました。
今振り返るとパワハラ、セクハラだったんだなと思うことがたくさんです。その当時それが当たり前だと思っていたけど、そうじゃなかったんだと気付かされることばかりでした。安定剤を飲みながら出勤する毎日、本当辛かったです。よく生きてこれたなと自分でそう思います。この話を読んで、この主人公の忍耐強さに尊敬、感動しました。

好きって気持ちがセクハラパワハラに移ってしまうのは、そうやってしか、関係をつなげられない上司に同情してしまう。

ももち麗子先生お馴染み、問題提起シリーズ。
その中でも『大人の』。
そして新しめの作品ということで昔に比べてぐっと読みやすくなっておりました。
途中苦しい部分もありますが、勉強になったり励まされたりする、大好きな先生の作品です。