5.0
骨太の設定、リアルな獣人ものNo.1
柚樹先生ご自身が描きたいと思われていた獣人もの、さすがです!骨太の原作をもとに、確かな画力で表現された、読み応えのある佳作となっております!!何が佳いかと申しますと…
①獣人の設定が、本物。安易に人型になんかならない。(実際にメタモルフォーゼできるとして、どんな分子構造になっていて、どんだけエネルギーを必要とするんぢゃ?)獣人姿のサナティが花とイタす姿は、それはそれで禁断の喜びです。
②人と獣人、絶対に生まれるであろう軋轢を、真っ正面から描いている。安易に解決をさせていない。その現実感が、「差別」について改めて読み手に問い直してきます。
③獣人用避妊具とか、細かい設定がリアル。(見た目人間用とさして変わらない体だけど、どこが獣人用? 長さ?)サナティが口に咥えた避妊具を、反対側から花も咥えて破ろうとするシーンは、なかなかエモいです。
というあたりが、お薦めポイントです。サナティがイケメン過ぎるとか、二人の濃い絡みがよいとかは、もう当たり前なので…。
それにしても柚樹先生の画は、本当に動物キャラにはまっていますよね。最高です! 我儘な願いですが、人型のサナティは、どんなイメージだったんだろうと、ちょっと作者さまの脳内を探索してみたい…「贄姫と獣の王」のように、おまけでよいからポジションリバース版、描いてくださらないかなぁ。
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