【ネタバレあり】阿部定事件～ふたりの女～のレビューと感想

冒頭の阿部定さん事件は
時を経た今でも良く耳にするし、
何度もドラマ化・映画化され
ドキュメンタリーでも目にする。
結婚前に、男性に乱暴さえされなかったら
そんな人生を送らず済んだのに…と思う反面、
生来の性格から結局は似た人生になっていたのか…とか色々と考えさせられる女性。

うーーーん

ちょっと期待しすぎた。もうひとりのミジメな女話より阿部サダの方が興味があったから、もっとリアルな話を見たかった。残念。

阿部定の話は色々な漫画やドラマなどになっていますが、この漫画は阿部定本人ではなく、幼馴染の女性の視点で描かれていて、他の物とは一線を画すストーリーになっています。彼女の感情や葛藤が丁寧に描かれていて、阿部定には感情移入できない私でも引き込まれまさそた。

女の悦びって・・・

阿部定と幼馴染のお栄。対照的な2人。
かたや、本能の赴くままに奔放な異性関係を重ねる定。
こなた、恋も女の悦びも知らぬままに結婚生活を続けるお栄。

定よりもお栄にスポットを当てたストーリーです。
定事件を扱った映画「愛のコリーダ」を観た立場としては、定と吉蔵の愛欲の日々の描写が短すぎると思いましたが
お栄を通した定像と思えば、これでいいのかとも思いました。
それにしても、ラストのお栄の旦那に言い放った台詞、すごい！

なかなか

定の友達が語るストーリー展開が客観的に読めてとてもいいと思った。イラストも上手くて昔の時代設定にしては綺麗で見やすいし。

2人の女

幼馴染の女性、定はお互い、羨ましく、やっかみもあったと思います。どちらの生き方も、こう生きざるを得なかったというのが切ないです。

時間だけでなく

時間のことだけでなく、誰かの視点でかかれていて、それがより、リアリティがあった。ただ、時間のことは調書のようでもあり！もう少し深みがあってもよかった

愛に生きた女

噂の事件だけに興味津々で、よみました。
定は綺麗で早熟だったけれど、淫らではない、と思いました。心から愛せる人を求めていて、愛する人に一途になる。愛に生きた女だと思いました。

実際にあった事件でネットで詳細を読んだことがあったけど、同級生の女性の視点も描かれていてとても新鮮でした。

どれも胸の痛い作品です。
リアルに描かれており
実際の話なので
刺さります。

阿部定事件など
聞いたことはありましたが。