3.0
毒気と中毒性
同じ作者の「怨み屋」シリーズはかなり読んでいるが、基本的な作品の構成は似ていて、形容するなら、「毒気のない怨み屋」、「ライト版怨み屋」、といった感じになるかと思う。
「怨み屋」が基本的には陰惨な話ばかりであるのに対して、本作は爽やかで、「そんなに上手くいくんかいな」と思うところもあるけれど、まあ、平和でいいんじゃないか、と。
ただ、「怨み屋」シリーズのレビューの中で、私は奇妙な中毒性がある、という意味のことを書いたが、本作からはその中毒性を全く感じなかった。
してみると、「怨み屋」の中毒性のひとつの要因は、本作から抜かれた毒気の部分でもあったのかな、と思うし、そういう意味では、いかにも物足りない漫画ではあった。
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