5.0
主人公と旦那、二人共とても気持ち悪く、だからこそ似た者同士でお似合いの二人です。
小学校の頃から何年もずっと好きだった男(有島くん)と再会したミツ。中学生の頃から壁に隠れてターゲットを凝視したりプレゼントをこっそり机に入れるなど、しっかりと粘着女としての過程を踏んで大人になります。
有島くんの中ではミツは「あいつ気持ちわりぃ」と友達にこぼすような存在ですが、たまたま夜の公園で会った事で家に遊びに行き関係を持ちますが、その後あからさまに避けたりしてそれ以降疎遠になります。
有島くんの中では小学校中学校の頃から、好意を寄せられていると分かってもミツはなぜか「気持ち悪い」存在。でも思春期の好奇心には勝てず、行為に及んでしまう。
大人になり再会してからもお互いの関係性は変わらず、
表面上は取り繕えているようにお互い装っていますが、
ベタ惚れのミツと、ミツを性欲の捌け口以上の存在にはどう頑張ってもなり得ない都合のいい女と思っている有島。
ミツの有島に対する必死さとか、執着を通り越して、髪にくっついたガムくらいうっとおしくて粘着質な感情が言葉や態度から常に滲み出ていて、もし自分が男だったら本気で関わりたくない、いやもうその目で見られるとゾッとするわと言いたくなるような感覚でした。
他の作品でも思いましたが、この作者さんは好意を寄せている男性に対するじっとりとした感情を持つ女性の態度や発言、目線などを表現するのが本当に天才的だなと思わされました。
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