みんなのレビューと感想「あなたのことはそれほど」（ネタバレ非表示）（108ページ目）

おもしろいストーリーなのですが、不倫モノは読んでいるだけで罪悪感や嫌悪感が出てきてしまいました。話数がコンパクトなのはとてもいいです。

ちょっと毛色が違うけど、いくえみカラーになっているのがすごいと思います。
けど、やっぱ不倫というテーマは、人間の汚くてズルくて嫌なところを暴き出してしまうから、愉快には読めませんでした。

美都も有島もゲスすぎる。
でもって、涼太は怖すぎる。
麗華も心に闇があって、こんなにみんな問題がある人たちばっかりって…
と思うけどついつい読んでしまう。
でも少なからずみんな心の中に何かをかかえてはいるんだろうな。とも考えさせられる。

タイトルに惹かれて

タイトルに惹かれて読み始めました！主人公始め、登場人物だれにも共感できる人がいません。なのになぜか続きが気になる。。主人公の女性は現実にいたらめんどくさいタイプなのかも！不倫相手の奥さんの方が同じ女性として共感できる人が多いのでは？

ドラマでみて、面白く、漫画もと思いました。ダブル不倫なんだからもっと上手にすればいいのにと思っちゃうけど、女性は、惹かれてしまうと旦那さまを拒絶しちゃうような対応になっちゃうのかな。男性は、遊んでます。って感じだけど。今、読み返して、そうだったなと再確認。

先にドラマを見たので、ストーリーに変わりがなければ展開と結末は知っています。無料話があったので、絵の雰囲気など見てみたいと思い試し読み。ドラマのみっちゃんも相当なクズっぷりでしたが、マンガ版のみっちゃんもそんなにおいがプンプンしますね。

あらすじにもあったようにダブル不倫のお話し。
中学校の頃に好きだった人と出会い交際が始まるが、主人公の女の人にも彼も既婚者。
2番目の人と付き合うのがいいと思って結婚もして幸せ？そうだが。。。
やっぱり不倫はよくないなーと思うストーリー

色々な

登場人物からみたストーリーが読めて、すごくよくできてるなぁーって思う。
絵は好きだけど、この作者の物語は難しいところもあって結局何が言いたいのか！？とモヤモヤ終わることもあるので 私はちょっと苦手です。

うーん

わかるようなわからないような…でもやっぱり気持ちわかるーーって感じですね。いろいろと、腹立つこともあるけどなんだか現実にもありそうで見入ってしまいます。しかし、相手の男はちょいちょいイライラするなぁー。

問答無用の傑作

まず、登場人物たちの細かな描き込みが素晴らしい。
自在でありながら完璧に計算し尽くされた時系列の操作は、彼らのバックグラウンドを雄弁に映す。
誰もが過去を背負って現在を生きている。
当たり前のことなのだが、その当たり前を漫画の中で豊かに描くのは、容易ではない。

繊細なキャラクターの描写は圧倒的なリアリティーを生み、また、彼らの紡ぐストーリーにも、複雑な陰影がある。
そりゃ、不倫をした二人が悪いんだ、と責めるのは簡単なのだけれど、そういう問題でもない、というか、そういう漫画ではない、と思った。
本作は、責任の所在とか、そもそもの原因みたいなものを、意図的に、曖昧にしているようにも見える。

私たちの人生は裁判でも勧善懲悪モノの映画でもないから、簡単に諸悪の根源を設定することなんか出来ない。
誰もがちょっとずつ愚かで、弱くて、ずるくて、罪深いのだけれど、そんなの、私たち大体みんな、そうじゃんか。
私はこの漫画の誰のことも憎めなかったし、軽蔑も出来なかった。
むしろ、歪で、拙くて、狂気すらはらんでいる登場人物たちが、何だか愛おしく思えてしまった。

不倫を扱ってはいるけれど、描かれているのは、もっと普遍的なことだ。
それは、それぞれの物語を背負って人が生きてゆくときに、ときにどうしようもなく生まれてしまう悲劇であったり、確かなものに見えていた関係性の儚さであったり、互いが出会う前に蓄積された、絶対にゼロには出来ない過去という膨大なログの重さであったり、生まれ変わったようにまた歩き出す強さであったり。

そして、いやー、怖い。
何が怖いって、この漫画で描かれているのは、「異常な人間」の怖さではない、ということだ。
いざとなれば、人間は、元の自分がどうだったかがわからなくなるほど、醜くも、怖くもなれてしまう可能性がある。
そのトリガーこそは、ときに愛であるかもしれない。
愛は、難しすぎて恐ろしい。

丁寧に編み上げられた精巧なヒューマン・ストーリーであり、哀れな私たちのラブ・ストーリーであり、ある意味で一級品のホラーでもあるという、もう、何と表現していいのかわからない、問答無用の傑作。

嗚呼、タイトルが素晴らしい。