5.0
やさしい世界
配信されている41話まで、課金して読みました。
幼稚園から高校までろう者の学校に通っていて、大学で新たな一歩を踏み出した、聴覚障がいを持つ雪と、夢を叶えるために世界を旅する2つ上の先輩、逸臣さんのお話。
私は話の内容を知らずに読み始めましたが、冒頭の雪のシーンがとても静かでキレイで印象的でした。あとあと、主人公の雪の耳が聴こえないと分かり、冒頭のシーンがよみがえってきたくらい。作者さんの言葉のチョイスもとても好きです。
逸臣さんは自分の知らない世界に興味があるのか、雪の音のない世界に入ってきます。まじまじ見たりいろいろ聞いてきたり、ぶしつけに思われるかも知れないけど、それが相手を理解するためには必要なんだなと思わせる。雪もまわりに助けられ大学生活を送っているけど、それでも聴こえないことで会話に混ざれなかったり聞きたいことを飲み込んだり。
そんな2人が付き合うようになり、逸臣さんが雪と少しずつ距離を縮めるところまで来ました。雪の幼なじみの桜志くんの思いに逸臣さんは気付いている様子。というか、なぜ雪は気付かない?!(笑)エマちゃんはもっと積極的に逸くんに迫ってるから、雪のことを目の敵にするのではないかな。そんなエマちゃんが好きだと思われる心。
新しく広がっていく世界を逸臣さんと雪が共に歩いていけますように。手話を通じて手の動きがよく描かれていますが、とてもやさしくてステキな世界だなと感じます。
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