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作品レビュー
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1 - 10件目/全15件

  1. 評価:5.000 5.0

    切ない、ツラい、苦しい。でも最後は…!

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    全30話はなかなか勇気がいると思いますが、1話もダレることなく一気読み確実です。終盤に暴力シーンもあるので苦手な方はご注意を。ストーリー重視の方なら思い切って全話購入で大丈夫!

    アメリカから東京の中学に転校してきた和真とクラスメイトになった蓮。
    ある事件をきっかけに離ればなれになってしまった二人の10年に及ぶ純愛です。

    偶然和真が蓮のいる会社に新入社員として入社することで10年ぶりに再会し、ようやく出会えて喜ぶ和真に対して、蓮はそっけない態度。

    パワハラ上司から助けてくれたり、忙しい中でもランチを共にしてくれたりと距離は縮まるのに、事件には一切触れない蓮にいぶかしく思いながらも、和真は一緒にいられる時間が楽しく、少しずつ近づけばいいと考えている。
    、、、という7-8話あたりまでが「起」。

    「承」となる9話あたりから事件やその後の経緯が読者に明かされ出します。ここで1回目の号泣タイム。
    事件の最中に和真に謝る蓮の気持ち、一方蓮を思って泣く和真(でも蓮はそれを誤解してしまう)、意識不明で病床に横たわる和真に蓮が話しかけ、また東京で会おうと誓うシーン、電話ボックスで和真の無事を知り蓮が泣き崩れるシーン…。
    再会後、蓮が和真にセフレになろうと言った気持ちを思うと、もうツラくてツラくて。
    しかもストーリー上では蓮は和真には話さない。ひとりでその事件を背負い続けるんですよ。
    けなげすぎてもう。

    和真が10年間ずっと自分を探していたことを知った蓮が、秘密を抱えたまま和真に寄り添い、ふたりに蜜月が訪れるもののそれは一瞬。
    社内の大事件に巻き込まれるとともに、和真の母親と再会してしまったことをきっかけに蓮が姿を消します。

    この20話あたりからの「転」から「結」までは手が止まりません。涙もノンストップなので大きなタオルの準備を。

    すべてを知った和真が蓮を抱きしめて告白するシーンは、もうねー、ようやく蓮の気持ちが報われた、二人の気持ちがつながったと大号泣です。

    最終話で新しい道に踏み出す二人。
    和真が本当に蓮のことを大切に思っていることがわかって、しみじみ泣けます。

    読み終わって、過去と現在、蓮と和真の独白が絶妙に交錯しながら、少しずつ謎が明らかになっていく構成、演出の妙にため息。
    絵もキレイで、特にお互いがお互いに知られないように見つめる表情が大好きです!

    • 17
  2. 評価:5.000 5.0

    ”クズ”なんじゃなく純粋なんだよなー

    ネタバレ レビューを表示する

    続きがあって嬉しい!でも作者にはまった大好きな話なので完結は寂しい…。
    主人公二人の人付き合いへの考え方にうなったり、知的興奮を覚えたり、なにより会話やモノローグの言葉選びが本当に秀逸で、読んでいてメチャクチャ楽しいです。

    主人公花浦湊は自称クズ。でも、人間関係を良好に保つために本音を隠して上っ面のつきあいをするのが不誠実だと感じて、そうすることにものすごく抵抗があるだけで、純粋で不器用なんだと思う。
    人と関わることが煩わしいから、積極的にぼっちを選んできた。
    かつ自意識過剰なので、「クズな俺はそんなガラじゃない」と照れて行動できないひねくれ者。
    「対 人に潔癖で理想が高いだけ」という、イヤなクソ男という意味での"クズ"ではないんですよー。

    学校一のイケメンで性格もよくて勉強もできてという完璧な都築一朔(かずさ)が、とにかく押しまくって、なんでこんなに好かれるのかわからないまま湊が落とされるまでが1~12話。
    そんなイケメンが湊を好きになるきっかけが明かされるのが13話「僕らがいけない宇宙の話」。湊の魅力にこんな小さいときに気付いた都築、グッジョブ!

    14~24話は都築の中学校の同級生遠野青葉が登場してかき回すことで、それぞれの性格や考えが表現されて、より話に深みが増します。
    湊も都築も、本音をぶつけて喧嘩し、悩み、特に湊が人間的に成長して都築に歩み寄っていく過程が丁寧に描かれています。

    喧嘩をしてしまい、
    生まれて初めて「こいつなら」と思えた都築とさえまともな関係を築けない 自分が本当に面倒くさい
    と落ち込む湊が、可哀想だけどかわいい。

    26~37話は大学生編。都築を好きな後輩がちょっかいを出してきたことから、それぞれが二人の関係をおびやかすことにどう対処するかが描かれます。

    自分を全肯定してくれる都築との同棲生活を通して、都築がかけがえのない存在だと改めて認識し、一番の理解者として大切にしよう、そのためにはどうすべきかと考えて行動に移す湊を見ると、こんなに成長して~!!!と感動すら(笑)

    都築も、湊を守る闘いっぷりで黒い面が出てて面白い。
    これだけイケメンだと周りがほっとかなくて、いろいろ苦労してきたんだよなーと。

    こう書くとすごく真面目なストーリーだけど、わりと全編笑ってます。
    作者のセンスに脱帽。絵もきれいで好み。

    ほんと、大好きな話です。

    • 9
  3. 評価:5.000 5.0

    生きる理由を得た最強戦士のラブストーリー

    ネタバレ レビューを表示する

    無料で1話ずつ読んでたけど途中から課金して一気読みです。
    設定もエピソードもあざといぐらい切なさが詰め込んであって胸がキリキリしっぱなし。さらに19話ぐらいから最後までは展開が緊迫し息苦しいほど。

    この世界をつくった作者に拍手喝さい!
    白兵戦含め戦闘が描かれるので暴力的な描写が苦手な方はご注意を。

    新型人類イキガミ(国により呼び名は違う)が生物兵器として国家防衛の最前線で戦うことで世界平和が保たれている近未来。

    イキガミは空を飛び貨物船を持ち上げるほどのパワーを持ち、ナイフも銃も地対空ミサイルですらかすり傷ひとつ負わせられないのに、抗生物質や解熱剤など普通の薬がまったく効かず輸血もできない。傷ついたり病気になったりしたら、ただひとり適合するドナーである人間の唾液や血などの体液や臓器移植でしか治せない。

    最強のイキガミと言われる鬼道慧(さとる)とそのドナーということが分かった吉野優希(ゆうき)が主人公。

    鬼道は10歳で家族と別れセンターで戦闘訓練だけをして育った。家族とは疎遠で友達もいない。守りたいと思える人もいない。

    吉野は突然のドナー認定に戸惑い、鬼道の横暴さにも驚くが、イキガミという存在、鬼道の生い立ちの過酷さを知り、ドナーの役割とともに鬼道の存在を丸ごと受け入れていく。

    吉野が鬼道を愛おしく思い精神的にも寄り添う過程や、鬼道が吉野の温かさに触れかけがえのない存在として大切に思うようになる過程が、納得感のあるエピソードで描かれる。
    吉野が10年後の未来の自分への手紙を読みあげ、それを受けて鬼道が書いた手紙を吉野が読むシーンには涙が止まらない。

    鬼道を守りたいと言ってくれた吉野。
    お帰り、ただいまと言い合うんだよと教えてくれた吉野。
    怪我をするなと気遣ってくれる吉野。
    好きという感情をわからせてくれた吉野。

    吉野の名前「優しい希み」は正にそのとおりで、悲しい存在という自覚すらなかった鬼道のドナーが愛情深い吉野でよかった。
    鬼道の胸に明かりが灯って本当によかった。

    鬼道がはじめは感情のない狼、食欲だけのゴリラ(「オレ バナナ スキ」には吹いたw)だったのに、最後は待てもできる大型ワンコになるのが可愛らしい(笑)

    最後、空で流星群を見るふたりにジーン。
    ずっと想いあって笑いあって幸せでいられますように。

    • 7
  4. 評価:5.000 5.0

    読み終わったらすぐに再読して答え合わせ!

    ネタバレ レビューを表示する

    相手を思う健気な恋心、軽妙な会話、練られた構成と、作者らしいすれ違い&勘違い&思い込み&早とちりが爆発した傑作です!
    今作は特に読者も騙されるミスリードが効いていて、最後まで読んで誤解がきれいに解けるともう一度最初に戻って「あーこれってこういう意味だったのか!これは勘違いするわー!」と膝をたたきながら答え合わせをしたくなります。

    高校の同級生・部活(男バド)で部長だった木宮広也(きのみやひろや)とマネージャーだった長岸友貴(ながぎしゆうき)。
    真面目だが言葉が足らず誤解されがちな広也と、そんな不器用な広也を理解し一番近い存在としてフォローしていた友貴は、周囲から長年連れ添った夫婦のようだと言われるほどで、社会人になってからも親しい友だちとして付き合っていた。ただ友貴は当時から十数年も一途に広也を好きで、事情を知る共通の友人陽一(男バド副部長)&都(女バドマネ)夫婦に苦しい恋心をぶちまけて発散する日々だった。

    ある日いつものように陽一と呑んでくだを巻いていたはずなのに、朝起きたら広也が裸で土下座をして「間違えた」と謝っている。どうやら勢いでヤッてしまったらしいがまったく記憶がない友貴。なかったことにして今まで通りの関係を続けようと決意するが、広也はこれまで以上に頻繁に連絡をくれて会うようになり、真意が読めず混乱し…。

    箸や箸袋、プラスプーンでちくちく手を刺すとかおしぼりを投げるとか、グチグチ悩む友貴がいちいち可愛いし、ひたすら友貴に寄り添う陽一くん&バッサバサ切ってズバズバ言う都ちゃん夫婦の助演賞っぷりがブラボー!!

    描き下ろし「友人の思うことは」は友貴の健気さに陽一と一緒に泣くとともに、陽一ほんとにいいヤツとしみじみ思います。主人公ふたりにとって陽一がいてくれてよかった。そんな陽一が都ちゃんとお互いに信頼して幸せそうに暮らしている風なのもステキです。

    騙したり駆け引きしたりとかはなく、純粋に相手を好きなんだなー頑張れー!と素直に応援したくなる愛すべき主人公たちと、コメディタッチのなかにマイノリティの切なさがにじむ絶妙な塩梅の、安心して読めるハッピーエンドでほんと大好き。
    驚いたときやあきれたときの作者特有のまさに目が点な表情もたっぷり楽しめ、付き合った後を描く健気ゆえの斜め上の悩みっぷりが描かれる恒例の後書きも最高です!

    • 5
  5. 評価:5.000 5.0

    ゆっくり進む優しくて温かいラブストーリー

    ネタバレ レビューを表示する

    恋ヶ窪に住む平凡なサラリーマン杜拓人(もり たくと)と隣人の晴海冠(はるみ かん)のハッピーエンドのラブストーリー。
    本当にいい話だなぁと読み返すたびにしみじみ思います。心があったかーくなるので、疲れたときや寒い日などに特にオススメです!

    拓人はやりたいことも夢も特になく、さえない毎日を過ごしている。ある日ヤケ酒を呑んでアパートの階段下で寝てしまったのを晴海に助けられてから、誘われてときどき部屋で一緒に晩ご飯を食べるようになる。

    いつもラフな格好で通勤もしてなさそうな晴海を怪しく思っていたが、会社を辞めて漫画家を目指し、半年は投稿作を書き、残りの半年で生活費を稼いでいると知る。不安定な生活だけど好きなことをしている晴海がまぶしく見える。

    少し近づいたふたりだが、作品を描き上げた晴海はアパートを引き払い、連絡先を交わさないまま分かれてしまう。半年後、デビューが決まった晴海が戻ってきて…というのが4話まで。

    まずはここまで読んでみて、気に入ったら全話どうぞ!
    5~8話でようやくキスの先まで進み、9話がインターバル、10~12話で一緒に住むことを決めて引っ越し、13話が同棲後のちょっとしたけんかと仲直り、14話は引っ越し当日の夜と拓人のひそかな誓いの話。
    ハラハラドロドロな展開ではないので、区切りごとにゆっくり読み進めるのもアリです。


    晴海が、拓人は小さな優しさをいくつもくれると独白するシーンがあるけど、それは拓人も感じていて、これ、一方通行だとツラいけど、ふたりはちゃんと双方向。
    ほんとステキな関係で、お似合いだなと思います。

    アパートの階段下に転がっていて拓人がいつも起こしてあげるサボテンは、拓人自身であり、晴海でもあり、読んでいる私でもあり、あなたでもあって。
    自分の小ささにめげるし、確かにちっぽけな存在なんだけど、きっと誰かが見ているよ、花は咲くよという作者からのエールがこもっていて、勇気が出ます。

    たったひとりでも大切な人の存在は大きな力になるし、平凡な日常がとても愛おしくなるよ、という作者らしいメッセージも大好きです。

    本作が好みでまだ「おはようとおやすみとそのあとに」が未読ならぜひ!
    開人&伊介がお互いを大切にしながらそれぞれの夢に向かう日々を描く名作です。

    • 4
  6. 評価:5.000 5.0

    伏線全回収のすごさ!

    ネタバレ レビューを表示する

    途中で「うお!あそこのアレってこういうこと?!」と戻って答え合わせをしたくなりつつ、謎が気になって先を読みたい、でも切なくて読み進めるのがツラい、という、なんかもう感情を揺さぶられすぎて、読み終わった後しばし脱力。
    緻密に張り巡らされた伏線と暗喩と、繊細な気持ちを表現しきる絵に脱帽。
    そしてすぐに再読。

    主人公北斗の誕生日前日3月29日からストーリーがスタート。
    モノローグ、朝ご飯を食べながらの自然なやりとり。大家さんとの会話、背景に咲き誇る桜、アパートに帰ってきたつばめ、スーパーで見つけた迷子、おままごとの台詞。なにげない穏やかな春の一日。でも二人の名前を含めてすべてが後ろにつながります。

    2話最後、北斗が至の足の間に座り込んでいちゃいちゃして、至が誕生日おめでとうと言い北斗がありがとと返したあと大きな爆弾が投下。
    「ハタチになったら別れる」
    「今日がおしまいの日」
    えーー!!どゆこと?!となったところで3話へ。
    以降、ふたりの出会いや至が小さい頃に受けた虐待(紛れもないネグレクト)が描かれ、そういう過去があるなら至が北斗からの無邪気な愛情を信じられないどころか煩わしく思うのも仕方がないかと思いつつ、至が北斗に投げつける辛らつな言葉とつきあった理由は、さすがにちょっとひどすぎ、、、。

    でも北斗は至に傷つけたと謝り「なんでそんな風に考えるようになった…?誰が至をいらないと言ったの」「誰が至を切り捨てたの」と言うんですよ。
    もうビックリ。
    イヤ普通怒るし、そういう展開で十分話は転がる。でも北斗の大きな愛はその上を行くわけです。もうマジ本当にいい子。
    こんな風に言われたら好きにならずにいられない。

    ところが至のこじれまくった心は全オープンにはならない。
    素直になれず、弱みを見せられず、甘えられない至を、北斗が理解し抱きしめるシーンには本当によかったねと。

    でもねー、このままハッピーエンドにならないんです。もうひとひねり。

    確かに至が原風景を諦める=大人にならないまま、北斗との生活を続けたら結局ダメになってたかもしれないと思う。
    思うけど、北斗の元に戻らず北海道に行っちゃって、告白するのは4年後ってのは甘えすぎだろ!
    北斗も甘やかしすぎじゃん!
    なんだけど、惚れた弱みなんですかねー。

    シンプルに言うと、北斗に見つけてもらえてよかったね至!というお話です(笑)

    • 4
  7. 評価:5.000 5.0

    よかったよかった…

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    紙が発売されてから半年。入荷されているのを見て叫びました!ようやく電子で読めるようになってうれしいです。

    リミット2で、航平が距離を置くと言って太一から離れてしまったところで終わっていたので、このあとどうなるのかと心配していました。

    病院で航平が太一のおじいちゃんに会えて、家でたくさん話せてよかった。おじいちゃん本当ありがとう。

    マヤに太一が悩み相談しながら航平への気持ちを言うシーンには、いままで航平が太一を好きな気持ちのほうがとてつもなく大きく見えていたので、そっかー、太一はそんな風に思ってたのかーとしみじみ。

    千葉さんが大好きな手話に会えたのはリュウのお蔭で、リュウにお礼を言うシーンもよかったー。
    リュウはあまり好きではありませんでしたが、こういう背景、経験、思いがあったのねと、納得。

    主要な登場人物みんなが丁寧に描かれていて、読み終えたときの充足感がハンパないです。

    最後に航平と太一が楽しそうに幸せそうに(一波乱ありますが…)お休みを過ごすのも見られて大満足。

    さて、これから「ひだまりが聴こえる」1話目、ふたりの出会いから読み返そーっと!

    • 4
  8. 評価:5.000 5.0

    仲良しなふたりが見つける未来への一歩

    ネタバレ レビューを表示する

    団地で育った幼なじみの藤沢夏喜と小平忍。
    前作「青春エンドロール113」でつきあうようになったふたりのイチャイチャと、夢中になれるモノがなかった夏喜が、映画研究会の仲間とともに映画制作を手伝う経験を経てやりたいことを見つけるストーリー。

    映画監督野火止多聞(のびどめたもん、通称ノビ多)は、同じ団地に一時期住んでいた同級生。
    ノビ多や映画制作関係者との交流で新しい世界を知りワクワクする夏喜。
    夏喜を好ましく思い、夏喜と忍の関係がメチャクチャうらやましくてでも素直になれないノビ多。
    わざとイヤなことを言って夏喜の反応を楽しむノビ多を快く思っていない忍。
    三者三様の気持ちが周囲との交流も含めて丁寧に描かれる。

    ノビ多が夏喜に好意を持つ裏付けに、夏喜の素直でオープンで優しい様子がたっぷり表現されます。
    これは惹かれちゃうよなーと思いつつ、忍はこういう夏喜に守られ救われてきたんだろうな、そりゃ大好きになるわと納得。

    一方忍の魅力もバッチリと。
    夏喜を傷つけるノビ多に怒ったり、団地ロケで力仕事を手伝う様子は頼もしいし、仕事終わりにひとまとめにした髪型で蝶ネクタイをほどき、シャツの胸をはだけて夏喜と電話しているのはすごく色っぽい!

    夏喜が映画上映イベントを企画し推進することで、自分は作品は作り出せないけど、それをたくさんの人に知ってもらうことはできると気付くのがすごくいい。
    なりたい職業で人気の野球選手やケーキ屋さんとかは誰もがなれるわけではない。でもその周辺に、自分の能力を活かして貢献する仕事は実はたくさんあるんだよなー。

    前作では忍→夏喜の思いが大きすぎてちょっと可哀想だったけど、今作は夏喜の忍への気持ちがモリモリ。
     忍を守りたい
     忍との関係を大事にしたい
     他人からの肯定も否定もいらない
     死ぬまで秘密にしておこうと思った
    と言う夏喜を
     死ぬまで一緒にいてくれるの?
    と抱きしめる忍。
    よかったねー忍!

    エロも、本能寄りだった前作から成長し、お互いを愛しく大切だと思っているのがわかってステキです。
    「おはおや」の開人&伊介もふたりで生きていく約束をした仲だけど、同様にこのふたりもずっと一緒でラブラブなんだろうなーとほっこりします。

    夏喜も忍も今後の進路が見えてくるところで終わるので、次作は新しい環境で悩みながらがんばる仲良しなふたりが見たいなー!

    • 3
  9. 評価:5.000 5.0

    切なくて泣けて何度読む手を止めたか…

    ネタバレ レビューを表示する

    「赤い糸の執行猶予」のスピンオフ「叶わぬ恋の結び方」の続編。というかこっちが本筋かも(笑)
    「叶わぬ恋~」を読んでなくてもまぁ通じますが、読んだうえでのほうが理解が深まるし、もし「叶わぬ恋~」を読んで本作を読んでない人がいたら絶っ対読んだほうがいいです!

    人の縁が糸となって見え、その糸を切る力を持つ神沢薫。
    そんな力があるせいか自分には赤い糸がなく、好きになる相手と一時の縁を繋げても、結局運命の人が見つかって去って行ってしまう。
    自分はただの通過点で、誰かの一生モノにはなれないため、本気で人と関係を繋ぐことを避けてきた。

    でも前作で
    これからの人生を君に捧げる覚悟
    で追いかけてきた原さんに、
    この人が駄目ならもう俺は立ち直れない
    と思いながらも
    運命ではないけれどきっとこれが最後の恋
    と薫自身も覚悟を決めて付き合い始めるわけですが。

    で、薫の"覚悟"がなんだったのかが明かされるのが本作。
    前作は一見ハッピーエンド。でも本作を読むと、原さんと付き合うとした時点でもうこう決めていたんだろうなと。そう思って「叶わぬ恋~」の最終話を再度読んでみてください。切なすぎますよ。

    薫が大好きという気持ちを隠さず、愛情を注ぎまくって甘やかしまくる原さんとの生活に満たされて幸せを感じながらも、
    あとどれくらいこうしてられるだろう
    終わりが来るそのときまで少しでも長く一緒にいられたら
    と薫は思うんですよ。

    心変わりしてもそれが運命、原さんの幸せだから責めずに身を引こうと考えてるのがもう可哀想で涙が止まらなくて、何度も読む手を止められました。

    ふと「赤い糸~」も読み返してみて、8~9話で薫が荒子くん(本作にも登場。いいフォローします!)を後押しするために
    人の気持ちにさぁどれだけ糸が影響してんだろうね
    一生運命の人に出会わない人だっているし糸が繋がってなくても上手くいく人も中にはいる
    と、どんな気持ちで言ってたのかと想像するとまた泣ける。

    タグに「執着(攻)」があるのに笑いますが、原さんの執着というか、おーきなおーきな愛でようやく本当の意味でハッピーエンド。
    よかったー!!

    最後に出てきた薫&原さん+荒子くん&ヒロのペアで会うというおまけストーリー読みたい!
    原さんとヒロが素でパートナー自慢しあい、それに照れたり怒ったりする薫と荒子くんという幸せな図が見たいなぁ(笑)

    • 3
  10. 評価:5.000 5.0

    一緒に空を飛びたかった黒い鳥と白い鳥

    ネタバレ レビューを表示する

    架空の鳥人を描く中華風ファンタジー「鴆(ジェン)」シリーズ第二弾。
    前作のフェイとツァイホンペアも大活躍です!

    有毒な植物を好んで食べ、その毒が色となって羽根に表れる鳥人ジェン。身内に持つ毒の強さ、その表れである美しい色の羽根を持つことがジェンの誇りであり、観賞用の鳥として高額で取引される価値でもある。

    ところが、ジーイエは色が混ざって真っ黒い羽根になってしまい、リウシンは色が出ずに羽根が白いまま。異端のふたり(二羽)はジェンの仲間内では普通じゃないと敬遠され、商人たちにも価値がないと持て余される。
    虐げられてきたふたりは出会ったときからお互いの存在に助けられ、運命の番ができるまでずっと一緒にいようと約束する。

    前作の主人公であるツァイホンがこの世で一番美しいと言われた虹色の羽根を捨て毒を抜き白くなったのをきっかけに、白い羽根は潔白の印として尊重されるようになった。
    リウシンはジーイエとともに買い取ってくれることを条件に新しい主人に仕え、その指示にそって毒を抜き名実ともに白い羽根になって人が会えるジェンとして有名になっていく。

    ジーイエは、ジェンの誇りを捨て、自分に対してもすっかり態度が変わったリウシンの真意がわからずに悩む。そしてある日唐突に自由の身だと屋敷を追い出されてしまう…。

    前作同様、大切な人(鳥?)の願いを命がけでも叶えたいという気持ちが引き起こす切ないストーリーです。
    リウシンのジーイエへの態度がだいぶひどいので、ジーイエがかわいそうで、幼い頃はジーイエに助けられてたのにお前なんなんだよーと思うのですが、事情がわかったあとは健気すぎると泣けます。

    小さいジーイエとリウシンが絆を深めていく様子は可愛らしいし、なにより気持ちが通じ合ったあと、リウシンがジーイエに向けるラブラブ光線がたまらん!
    ご飯を受け渡したり、服を着せ合ったり、羽根の手入れをしてあげたり、リウシンの大きな羽根で囲ってくっついてお昼寝とか、ジーイエと仲のいいツァイホンにツンケンしたり、でも番と呼ばれて喜んだりとか、もうもう愛情だだ漏れでごちそうさまって感じです!

    もちろんフェイとツァイホンペアも仲良しでうれしい。
    みんな幸せになってよかったよかった。

    これからもいろいろなジェンのストーリーを見たいし、この二作のペアたちが幸せに暮らしている様子を知りたいなぁと思います。

    • 2
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