5.0
かくも業の深い芸術
バレエというのは、特に一般的なアジア人からみていけすかない芸術だったりする。どんなに運動神経がよくて、音感ばっちりで、カリスマ性があって、容姿端麗だったとしても、足の形1つで落伍者になってしまう。しかし、それほどに選ばれた人間によるパフォーマンスは、確かに悔しいほど美しい。
少年が、ダンサーであり息子でもあり学生でもある自分にまつわる、様々なことを引き受けながら成長していく。こんなに何かに熱くなれて、しかもそれをやるために生まれてきた素質満載であるならば、どんなに幸せなんだろう。しかし、それでもこんな尋常ではない努力が必要とあらば、バレエとは恐ろしい芸術だなあと思う。
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