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死から生への回帰
日々、数々の漫画を読み散らかしている私ですが、ふと(これは時間をかけてじっくり読みたいな)という漫画に出逢います。冒頭から主人公の一人が死んだところから始まるこの作品もその一つで、生前の彼を思い出していくもう一人の主人公の傍で思いを共有したくなっています。死と生の一回性の重みを感じながら・・・・・・。
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6259位 ?
日々、数々の漫画を読み散らかしている私ですが、ふと(これは時間をかけてじっくり読みたいな)という漫画に出逢います。冒頭から主人公の一人が死んだところから始まるこの作品もその一つで、生前の彼を思い出していくもう一人の主人公の傍で思いを共有したくなっています。死と生の一回性の重みを感じながら・・・・・・。
「凪のお暇」「珈琲いかがでしょう」の作家の作品とあって期待して読みました。長編でもないので最後まで課金したのですが、ま、佳作といえるかな。
骨太の筋書もさることながら、私が最もワクワクしてしまったのはアイヌの生活習慣や言葉、伝統が随所に紹介されているところです。生まれて18年間北海道で暮らした私ですが、隣人であるアイヌの人たちと交流する機会がなかったのをこの漫画を読んでとても残念に思いました。杉本とアイヌの女の子が、新時代を共に生きる伴侶同士になったらいいな~と願いながら、続きを読み進めます。
まず、献立の見事さにクラクラしました。タイトルが示唆する通りこの漫画はストーリーがあるとは気がつかないほど日々の献立が充実しており、何よりもうれしいのは安い食材ばかり、料理するのは筋金入りの節約家のゲイ弁護士。何回か読み進むうちに、(この料理絶対作る!)と何度も思いました。今作りたいのはイワシの梅煮です。
もう少しでお墓に足を突っ込む年齢に達した2人のおじいさんが再会し、純愛を復活させるストーリーということで、まず、人生の最後になっても若き日の愛を忘れていなかったことって、それ自体胸キュンですよね。もう色恋とは次元が違う(と思う)この愛の行方は興味深いですよ!
ヤクザの男にとっては施設で仲良しだったお姉さんであり、警官の男にとっては敬愛する上司であった女性は暴行動画に撮られた女性で、その直後姿を消した…。その女性を何が何でも見つけるために疑似同棲して協力しあう二人。事件の真相を巡る過程がいろいろ怖いが、二人のイケメンの関係の進展と合わせてつい読み進めてしまう。
主人公の女の子の生い立ちが「村共同体のために生贄となる子ども」として迫害のもとに成長したこと、その生贄対象となる獣の王が人間とのハーフであるにも拘らず獣の王として君臨しなければならないため、心にトラウマを抱えて生きてきたこと、そんな二人(一人と一頭?)は運命の出会いをし、互いにかけがえのない存在となっていくというなかなかのプロットなのですが、私がどうしても(なんかな~)と思ってしまったのは獣王がちっとも魅力的に描かれていないということです。いくら獣王でも、顔がでかすぎだし、かたや女の子は超おチビさん。ミスマッチ感全開でした。
これまた酷い義母がいたもんだ。人間、20~30代で人生の転機になるような大事が起きると言うが、多くの女性にとっては結婚がそれ。漫画では死後もう一度結婚式当日にタイムスリップできたが、実際には(こんなはずじゃなかった)と思っても我慢して一生苦しい生活を続ける人も少なくないだろう。ま、死ぬほど我慢しないで、取りあえず離婚するのが一番だな~、と考えさせられました。
日本の男女の結婚生活によくあるパターンが第一話を読んだだけでも、これでもか!と描かれていて胸が痛みます。かくいう私も離婚経験者。もし、男性の連れ合いが心から反省して結婚生活を積極的に担っていれば離婚しなかったと思います。でも、日本では会社が夫をボロ雑巾のようになるまで働かせるのが当たり前だし、男性たちはほぼそれに疑問を抱きません。このままいくと日本では離婚は増える一方、ていうか、結婚しない女性がますます増えるだろうなあ。
ジャンルを問わず一つの事に集中して生活の全てを費やす人は、往々にして他の面が苦手なものだが、この漫画の女性主人公の場合は仕事人間で、家の片づけや食事作りなどがほぼできない。それだけでなく恋愛も意識の外。そんなところに火に入る夏の虫が飛んできた。なんか、女性・男性問わず、自立した生活できない人と一緒に暮らすのは、め~~~っちゃ大変だと思い、夏の虫=後輩君にひたすら同情し、エールを送りながら無料で読めるとこまで読んだ。これ以上課金するのはどうしようかな~。女性主人公がもうちょっと成長してくれないと後輩が可哀想過ぎて読むにも胸が痛む。
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僕から君へ 羅川真里茂傑作集