5.0
文治さんがつぶやく「野分の又の日こそ…」という言葉、まさか源氏物語の「野分」の章から採ったのかとドキッとしました。源氏の息子の夕霧が、台風の翌日の混乱の中で義母である紫の上を見てしまい、その美しさに驚くという場面が出てくるので、女中たちを美しいと思ったのかと…。
でもググってみると原文は枕草子で、台風の恐ろしさだけでなく暴風が生み出す思わぬ美しさを描いたものでした。
ところで文治さんは姫子さんの家に泊まることになった時から、眠らずに過ごす事に決めていたのでしょうね。
平安時代、宮中で寝ずの番をして貴人を守った宿直(とのい)のように。
頼りになる強さと古典の教養のある男性、素敵です!
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煙と蜜
007話
第三話 雷と茸(3)/第四話 祠と稲荷寿司