4.0
ネタバレ注意です。
戦争モノの作品といえば、
実際の過酷な体験談に基づく話や
いかに悲惨で
むごいことがあったのかを
後の世に語り継ぎ、残すイメージがある。
このマンガは
おそらくそれらとは作風が異なる。
あくまで
創作として読むのが前提で
少女漫画というジャンルから
はみ出さない範囲で表現は抑えてある。
でも戦争によって奪われたもの、
失われたものがあるということが
痛いくらいに切なく哀しく伝わってくる。
戦争の犠牲になったのは
尊い命だけではない。
愛する人との未来だった。愛する人の笑顔だった。
平凡な日常だった。
誰かと一緒にいられる時間だった。
誰かと交わすはずの会話だった。
美律子はおばあちゃんになるまで生き抜いた。
自分の生涯を全うした。
そしてやっと会いにきてくれた一臣。
美律子にとっては
最大のご褒美だと思う。
やさしい人こそが
本当に真の強い人だと
思わせてくれる作品。
髪型や衣装など、たまに
ツッコミを入れたくなる部分もある。
でもそんなの関係ねぇ~というくらい感動でした。
-
4
空と海のあいだ