「戦艦大和のラムネ」
有名な戦艦の名前としか今まで
何にも知らなかった自分が恥ずかしい。
戦艦大和は、総勢七千人の特攻だったことも。
戦艦一隻の出撃に対して
向こうの戦力は空からの有利な攻撃で、
圧倒的な数の差で上回っていたことも。
特攻は飛行機だけしか知らなかった。
こんなに大きな戦艦で、それも七千人が…。
船では生水が腐ってしまうため使えない。
その代わりとして、戦艦の中でラムネを作って飲んでいたことも知らなかった。
自分のつくったラムネを
子供に飲ませたいと語った門尾さん。
自分の身が助かることよりも
率先して仲間の幸田さんを守った。
こんな状況で人を思いやれるなんて
門尾さんは何という人だろうと思った。
年老いた門尾さんの息子が
海から当時のラムネのビンを拾って
嬉しそうに泣きながら笑った。
読んでて切ない気持ちになった。
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戦争めし
010話
其の七 戦艦大和のラムネ(2)