人を死に追いやる心の葛藤・・一番心を痛めるのは誰だろう?それは「桜花」の切り離しボタンを押す、部隊長ー鳴子飛曹長なんです。ものすごいストレスと罪悪感に苛まれる、だからこそ体は燃え立ってくるのでしょう。続編が楽しみです。
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人を死に追いやる心の葛藤・・一番心を痛めるのは誰だろう?それは「桜花」の切り離しボタンを押す、部隊長ー鳴子飛曹長なんです。ものすごいストレスと罪悪感に苛まれる、だからこそ体は燃え立ってくるのでしょう。続編が楽しみです。
〜✿見送る側と送る側の生の葛藤✿〜大多数の女性ファンはあまり、戦闘機や人間爆弾「桜花」について、関心がない方が多いかと思います。この作者は女性ながら、旧日本海軍の爆撃機や戦闘機を詳細に描いています。それがこの物語のリアルさを醸し出しているのです。「桜花」については、すでに松本零士先生の「音速雷撃隊」という作品で一躍有名なりました。しかし男性が描く戦記物は、華々しく散っていく戦闘場面だけを取り上げるので、登場する爆撃隊全員のくわしい人格やプライベートまで描写しないんですよね。これでは人間ドラマとして何か欠けていいます。しかしこの作品は見事、隊員の同性愛だけでなく、見送る側と送る側の心の葛藤も描いてます。一番ストレスが溜まるのは誰だろう?「桜花」攻撃を成功させるために、切り離しのボタンを押す役目である、隊長ー鳴子飛総長なんです。お話の続きはお楽しみですね。
ラストのシーン・・もしかしたら八木中尉は亡くなってない?。海上に不時着して奇跡的に助かったのかも知れない。
このカップルのお話しは、実はまだ続きがある可能性大です。実際に特攻で突入直前に風防が開いて外に投げだされたり、突撃して米軍の船の甲板に投げ出されて重症をおったけど、奇跡的に助かり戦後捕虜収容所を経て、日本に帰国した人も居ます。あと志津摩の過去がまだ描かれていません。続編を期待しましょう。
おっとと、みなさまアニメ化・ドラマ化・映画化を強く要望しましょう!!
もう同僚にバレてしまったのが最高です。でももう時間がない・・ああ〜切ない
燃え立つ炎のゆらめき、若い命の声なき叫び、切ない・・
終戦直後の東京・上野や日比谷公園には、女装した男娼がたくさん立っている事が有名でした。米兵はもちろん日本人のゲイの男にも体を張っていたんです。この時代男性の大半は復員兵です。戦地で上官に無理やりその世界を教えられてしまったという人が多かったそうです。異性愛の男性は慰安所に行けば女がいるんだから、そんな事あり得ないと反論する人が多いんですけど、慰安所は安全な後方にあるもので最前線の激戦地にはありません。海軍なら艦内や潜水艦内にも慰安所はありません。先の大戦では戦闘になる危険な場所には女性はいなかったのです。いや後方の基地内であっても、手短に女性がいなければ、上下関係を利用して男色にふける人が多くなったでしょう。そうなると若い男性の集団であった軍隊では、湧き上がる性欲処理に男色が密かに流行っていたのでは?と想うのです。
〜黒いマフラーは喪に服すという意味合いがあります〜そう志津摩は=未亡人=なんです。
ラジオから喜歌劇「メリーウィドウ・陽気な未亡人」のメロディーが聞こえてくるのは偶然かも知れないが、
これほどマッチする歌詞はないですよね〜
ワルツのステップに合わせて〜魂も一緒に〜小さな心臓は心ときめく
唇は黙っていても〜この手のぬくもりは、はっきり伝えてる〜
心の悩みも打ち解けて〜高鳴る調べに言わねど知る恋心・・・
いやーこれは戦時下の特殊な環境での男色だよ。恋愛感情うんぬんではないと反対ご意見もあるかと思いますが、
性欲と恋愛感情は紙一重、分離するものではありません。若さ故に体中から沸き起こる性欲と、もうこの世にいない
相手を激しく想う恋心・・本当に切ない・・。
主人公の家族と実家の様子がズバリ当たっていました。当時の良家のお嬢様=中流の上〜上流の家庭です。戦前この階級に属する人は、4年生大学の進学率がわずか5%未満だった事を考えると、限られた特権階級ではないでしょうか? 海軍士官と見合い結婚させられた、古き良き時代のメモリアル漫画ですが、海軍士官の妻という特権に甘んじていられたのは、1945年8月15日まで、組織解体だから軍人は自動的に失業、収入がなくなるんです。終戦直後のサバイバル生活の時代、一番苦労したのは仕事の経験がない。何も技能を持たない。専業主婦だった人々でしょう。
✿港町=出会いと別れと不倫の街✿〜ロシアン歌謡の名曲〜✿セバストポーリワルツ✿〜という名曲をご存知でしょうか?(ネットで検索してユーチューブで聞いてください。この歌は海軍士官の制服で歌います。)この曲はひさしぶりに自宅に戻った海軍士官が、自分の妻の不貞を目撃して嘆く悲しみの歌です。男の恨み悲しみを歌った名曲です。世界中どこにいっても、船に携わる仕事に付く人は長く家を開けざる得ない。これは軍人だけでなく漁師や船乗りもそうです。残された自分の妻は寂しさに耐えかねて、他の男性と不倫の関係になってしまう。古今東西よくある話しなんです。生まれた子供が本当は自分の子供で無かったり、また長く自宅を開けるから自ら港、港に女を作り他にも家庭を持っていたり、結婚しても配偶者と長くいる機会が少ないから、どうしても異性と交流を持ちやすい事はお互いに理解して認識しないと、やはり不幸な結婚で終わる可能性大です。この物語の主人公のように純粋で真面目なだけでは、やっていかれない部分もあると思います。
〜✿✿永遠の名作少女マンガです✿✿〜
もう半世紀前に連載された人ぞ知る名作マンガ、圧倒的な画質と時代考証、綿密な人物設定、この漫画は短編のオムニバス形式で展開する漫画ですが、いわいるオカルト系恐怖漫画ではなく、普通の人間よりも長く生きる吸血鬼一族の、近世〜現在に至るまでの、普通の人間との関わり合いのエピソードを描いた物語です。普通の人間ではない異物として、社会の影で生き続けるしかない者の悲哀と悲しさを、細いエレガントな筆で詩的に抒情豊かに描きます。
普通の人間よりも長く生きるから、当然関わった人々は早く老いていきます。普通の人間は生まれ育ちに関係なく時間だけは平等に与えられているので、どんなに可愛らしくて綺麗な女性でも、年を取れば醜い老婆になってしまう。年老いてから初恋の人が出会った当時のまま存在したら・・これほど残酷なファンタンジーもありませんよね。萩尾先生の作品は男性的で骨太い、厳しい人間観の作品が多いのですが、女性の若い頃=少女時代・娘時代とはなんなのか?という問いを投げかけて考えさせるのです。ただ甘いだけでご都合主義が多い少女漫画の世界にあって貴重な存在です。人間の普遍的なテーマを表現する漫画家だと思います。若い方はぜひ一度は読んで欲しい作家です。
蛍火艶夜
028話
【第10話】鳴子部隊 第一編(2)