藤えまりさんの投稿一覧

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1 - 10件目/全48件
  1. 評価:5.000 5.0

    思春期をまだどこか引きずっている大人へ

    主人公はたぶん悪い奴じゃないなとわかる男子校生。
    実はこの真山だけに、日常的にあの人にもこの人にも糸が見えている。
    生徒はまだいいが、父親や担任の先生などは糸で顔が全くわからないほどだ。

    そこに事件が起こり、ちょっと変わった成り行きでつながった三人が少しずつ絆を深めていく。
    思春期特有の距離感や成長もさることながら、それぞれの視点からの話の進み方が面白く、これが読ませるのだ。
    キャラクター描写が実はしっかりしているせいではないかと思う。
    また安堂の明るさには読んでいて救われるものがある、

    三人は、あるいは真山は、校内の様々な立場の人に巻き込まれながら、あるいは巻き込みながら成長したり自己開示が進んだり。
    最終的に真山に見えていなかったものが徐々に明らかになっていく。
    その時、二人は…!

    思春期って、自分に見えているものが全てになりがち。
    成長するにつれ視野が広がるわけですが、みんなが実はその途中で、思春期の何かを引きずっていることが多いと思う。
    そんな大人たちにお薦めしたい漫画です。

    もうちょっとたくさんの人に読まれていい作品だと思うのだけれど。

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  2. 評価:5.000 5.0

    正解のない女の生き方

    ブランチラインとはつまり枝分かれしたメインではない方のこと。
    ということで、この漫画には所謂幸せな結婚をして子宝に恵まれ…みたいなメインストリートをいく女性は出てきません。
    かといって、大事件がたくさん起こるわけでもなくて。

    緩やかで地味な、でもそれぞれが最大限に頑張っている日常。
    人とのつながり方を通して知っていくこと、はっきりと言葉にされずとも見えてくるもの。
    そこには、メインストリートは歩けないまたは歩きにくい女性たちが、どう生きるかを知る手がかりがいくつも染み出してきているように思います。

    ちなみに絵はあまり上手くはありません。
    でも、雰囲気がとても良い。

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  3. 評価:5.000 5.0

    色褪せぬ名作

    昔の作品と侮ることなかれ。
    伏線だらけで謎と納得が弾丸のように降り注ぐ。
    いや、むしろ今ならこんなに終着地点の見えない、わかりにくい作品は連載できまい。

    どんな話なのか掴もうとする度形を変えて、予想だにしない展開がいくつもいくつも襲いかかる。
    ジャンルとしては現実にSFを混ぜたあたりになるか。
    そして少女漫画であることも確か。
    ただしこんなスリリングな少女漫画は他に類を見ない。

    最後までそのドライヴ感が落ちないことも素晴らしい。
    もっと語り継ぐべき作品だ。

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  4. 評価:5.000 5.0

    ひとりの女性の生き方とその荒波

    最初はグルメ+恋愛漫画かな?というノリで読み進めましたが、そんな浅いものではありませんでした。
    何を大切にして生きるのか、働くのか。
    毒親(と一概に括れる親ではないですが)との確執とどう付き合うか。折り合いをつけるのか、あるいは乗り越えられるのか。

    迫りくる荒波をどう乗り越えるかと読んでいると、いつの間にか波はさらに複雑化。
    わかりやすい物語や、すぐに理解のできる展開ばかりではないだけに、そこで離れていく人も多いかもしれません。
    でも人生ってそういうものでしょう。

    特に、寺育ち故の食感覚と、大女優の娘だからこその母娘問題は、普遍的なテーマを鮮やかに見せてくれていると思います。
    わかりやすくてただ通過する物語ではなく、一見わかりにくいからこその深さで、読んだ人間の人生を少し向上させる力をくれる物語です。

    • 0
  5. 評価:5.000 5.0

    熱くて熱くて、気づいたら読み耽ってました

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    バレーボールで他の球技と決定的に違うのは、ごくあっさりと点が取れる「場合がある」こと。
    つまり上手くすれば、一回のサーブだけで一点獲得できる球技である。
    一度しかボールに触れずに一点なのだ。

    このバレーボール漫画はそこを上手く使っていて、都立高校ながらに強豪校とやり合う熱い展開が目白押しなのです。

    主人公は足の怪我に苦しんだ中学時代に練習しまくり、高精度のサーブ技術を身につける。
    サーブだけのエース(サービスエース)と呼ばれながらも少しずつ怪我のトラウマを克服し、サーブ以外のプレーの力をつけて成長していくさまも読みどころ。
    ライバル校もそれぞれに個性的かつ魅力的で、バレーボールがやりたくなってしまった。

    続編の「ハリガネサービスACE」は便宜的に作品を区切っただけと思われる。続編というより続きの巻。

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  6. 評価:5.000 5.0

    ほのぼの読めて、最後に泣いた。隠れた秀作

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    ほのぼの読めるのに、最後まで読むとじんわりと良さが浸透して涙がじわじわ出てきてしまう物語でした。

    二人が大きく違ってても、打ち明けられなくても、友達でいた時間が褪せるわけではなくて、理解しようとしてくれた人がいた事実も残るわけで、それがどんなに大切なことか、最後まで読むとわかってきます。
    過去が今の自分をつくってるし、過去という支えが希望をつくるんだなあ。
    友達だった時間の輝き。
    ぜひ最後まで読んでみてください。隠れた秀作です。

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  7. 評価:5.000 5.0

    こんなに優しいキャラを他に知らない

    ひとことで言ってしまえば、島さんの人柄が、コンビニバイトという無機質な仕事をとても色鮮やかに見せてくれる漫画です。
    大きなドラマはそんなにはありません。でも島さんの、人への関わり方が本当に優しい。こんな風に羽のようにさり気なく肩を叩けるキャラクターを、私は他に知りません。
    ぜひたくさんの人に読んでほしい作品です。

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  8. 評価:5.000 5.0

    前作で描ききれなかった二人の関係

    北条先生がこの作品を描いた意味がわかった気がします。

    そのヒントは、シティーハンターと微妙に異なる設定にありました。
    美樹の不在、教授はドクと呼ばれ、リョウの自宅もなんだか違う。リョウと香の出会いまでも異なっています。

    これはあくまで私が感じた答えですが、
    ああ、北条先生はリョウと香を描き直したかったんだ、と思いました。
    直すというと言葉は悪いかもしれません。少年誌のシティーハンターでは描くのが難しかった面を、存分に描きたくなったのでは、という感じでしょうか。

    きっと連載開始時は、こんなに長い連載に、またこまでの人気作になるとは思っていなかったはずです。
    だから描いているうちに、最初の設定に作者自ら手を加えたくなったり違和感を持つといったこともあると想像します。何せ連載開始時とは愛着が全く違うはず。

    だからこの作品は、シティーハンターで描けなかった、あるいは描き直せなかった、北条先生の中で熟成したリョウと香なのだと思います。
    理想のリョウと香の関係、と言ってもいいかもしれません。
    それを正面から描いたらあまり物語にならないので、香がいなくなった世界にしたのではないかな。北条先生照れ屋だし。

    それにしても出会いまで変えるなんて、キャッツアイのラストを思い出しますね。

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  9. 評価:5.000 5.0

    人生の軌道を少し良きものにしてくれる

    世界観が完成されていて、魅力的で、少しずつ読みたいけれど、続きが気になって時にはずんずん読んでしまう素敵な作品です。
    シーヴァとせんせの生活に流れる、穏やかなものが特に素敵。

    読み始めは、差別というものの本質を描いているのかなと思いました。読み進めるうちに、守るとは、幸せとは、生きるとは、愛するとは、…とどんどん考えさせられる(というより感じさせられる、に近い)テーマが増えました。

    そして最後は、一人ということと、ふたりでいることの決定的な違いを思い知らされました。
    すぐには役立たないけれど、この作品からもらったものは私の人生を少し良きものに軌道修正してくれるという予感がします。

    ラストが読み取れない、という方がいるようです。
    わかりやすさを重視する作品がここ数十年で増えているので無理もないかもしれません。
    でも、ちゃんと読めば、十分伝わります。わからなければ何度も読んでみてください。わかりやすくはないからこその、余韻や深みや広がりが存在します。

    大事なのは、時間の長さではなく、二人いるということ。私はこれは、最大限のハッピーエンドだと思っています。

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