5.0
何回読んでも
無料までで止めようと思ったのにムリでした。時折挟む課長の千鶴に対する心の声が優しすぎて、何回読んでも泣けてしまう。この話の良いところは、話を引っ張りたいが為の回り道が無いこと。11年付き合った彼に復縁を迫られたときに、千鶴はまだ課長とあまり進展はしていなかった。よくありがちな話だと、そこで11年というかけてきた時間の重みの未練から元彼と復縁しがち。そして新しいパートナーと揉めて…のパターンになりやすいところを、この話では、千鶴はいつもストレートにハッキリと自分の意思を伝える。何言ってるの?自分は何したの?もう私たちは終わったのよ、と…。そこが気持ち良いくらいブレない。課長はそんな千鶴に引かれている。課長はそんな千鶴を信じている。しかも千鶴の、強く見えてホントは弱い部分もちゃんと理解していて、必ず「安心しろ、これからは俺がそばにいる」と言い切る。なんて頼もしく、なんて優しい人だろう。君の好きなものを知りたい。喜ぶ顔が見たい。プロポーズの返事がハイじゃなくても、自分の気持ちを伝えたかった。返事なら君が納得するまでいつまでも待つ。俺の目的は結婚じゃなく君だ…。千鶴が、プロポーズを受けて嬉しすぎて涙が出ると同時に怖さも感じるところなんて共感の嵐です。嬉しすぎて怖い。この今の幸せからまたどん底に突き落とされるかもと考えてしまうトラウマ。…そして元彼には浮気されて終わった11年目、課長とは夫婦となり娘も産まれて、今も変わらず優しく包んでくれている。こんな夫婦になるのが理想です。これは読んで後悔の無い、オススメです。
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11年後、私たちは