お前はいくらで買えるんだ、って怖い顔したヨハン見て、この子は従業員じゃないって言いながらイネットの前に出た宿の遊女いい子だな。
ヨハンが感情を抑えられず、顔半分が炭を塗ったように黒くなっているのを見て、父が母を抱いていた鉄火面のような顔を思い出す。イネットは相手を支配しながら抱く父のようになりたかった。それなのに、母と同じ女の体。夢でアリョナにも女だったから物のように売られ複数の夫を不本意に持ったって言ってた。バラバラに閉じ込められた石棺の悪魔と同じように、自分は父目線と女の体をつなぎ合わせた魂。不完全な心と体だけど、ヨハンがイネットを父のように抱いて、イネットの女の体が見えれば、ヨハンをいじめて追い詰めなくても、ヨハンを手に入れられる。ヨハンの目が父となり、母の体のイネットを抱けば、バラバラだったイネットの魂が一つになれるって事かな。
飽きられ、新しい物を求めて去ってしまう事を頭では分かっていても心がついていかないとヨハン。 本気でイネットを求めるヨハンに熱くなるイネット。料金先払いだと言う女主人とイネットは従業員じゃない、と抗議する遊女など邪魔な野次馬に対し、剣を床に刺し西部ギュスタブのヨハネス•バルデマルと名乗った顔は王そのもの。
そんな立派な彼に、以前は止めてと言っても彼女を汚したのに、なんで野次馬なんかに構って途中で止めた、と責めるイネット。新しい遊女という友人を邪魔だと思っていたのは彼だけでなく、彼女も自分を求めているのが分かって、黒い部分が消え、驚いたヨハンの顔。イネットみたいな女性がいるから、嫌だという女性の言葉を信じず、傷つける男が絶えないんだよ。困ったちゃんだね。
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魔鬼
105話
魔鬼(105)