5.0
レビュー
記憶を失った主人公が、かつての愛を再び見つけようとする切なくも美しい物語に、冒頭から心を奪われました。過去の自分を知らない不安と、それでも自然と惹かれ合ってしまう本能的な愛情の描写が非常に丁寧で、胸が締め付けられるような感動を覚えます。
特に、冷徹に見える相手が主人公に対してだけ見せる、一途で深い情愛の表現が素晴らしいです。失われた記憶の断片が少しずつ重なり合い、止まっていた時間が再び動き出す瞬間のカタルシスは、読んでいて思わず涙が出るほどでした。二人の間に漂う空気感や、言葉にできないほどの切なさが誌面から溢れ出しており、没入感が凄まじいです。
作画も非常に美麗で、キャラクターの揺れ動く感情が視線や指先の細かな動きにまで宿っています。幻想的な雰囲気と純愛の尊さが融合した世界観は、まさに至福の読書体験でした。困難を乗り越えて絆を深めていく過程は、愛の強さを改めて信じさせてくれます。読後の余韻も素晴らしく、何度も読み返したくなるような、文句なしの星5つを贈りたい名作です。
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くちなしの花嫁-記憶なき乙女、恋ふたたび-