5.0
不器用なヒーローからの静かな執着❤️
ギャグ寄りのお話かなと読みはじめましたが、ミステリーあり家族愛あり、ユーモアありのとても素敵な作品でした。恋愛面はゆっくりながら深まっている最中です。
継母義妹、恋人に裏切られ殺されたペレシャティが死に戻り、自分の命と財産を守るために奮闘していきます。
その過程で大公であるテルデオと契約結婚することになりますが、この大公家が様々な秘密を抱えており、ペレシャティの死に戻りにも関わっていたことが明らかになっていきます。大公家の人々は代々続く呪いで苦しみ閉鎖的になっており、諦めることが日常になってしまっている為重苦しい雰囲気が漂っています。
そこに入り込んでいくペレシャティは、良い意味で人間的な、思いやり、温かさのある善良な女性です。自分の復讐の為に犠牲になる人たちのことを切り捨てられず違う道を模索したり、誉められ過ぎれば、有り難いけど居心地が悪いと感じたり、迷いや弱さを持ちながらも根が優しく強い人です。その彼女が新たに義家族になったラピレオン家の家族それぞれに、その人柄、存在で救いになっていきます。
契約婚の相手であるテルデオは、大公として重責を背負いながら、呪いによる自身や家族の苦しみを見続けてきて、諦めややるせない思いを抱え続けてきた人で、無口で無表情、不器用ながらも家族への愛情を持つ男性です。シーズン1はその終盤までほぼ表情が崩れることはないのですが、利害の一致で結婚したペレシャティと関わりその温かさにふれる内に彼女に心惹かれ、少しずつ表情が緩む瞬間が増えていきます。
恋愛的にはものすごくゆっくりした進み方なのですが、それだけではなく家族それぞれとペレシャティの関わりの中での変化がとても良いです!
この作品は余白というか余韻も大切にしているのか少しの表情の変化から伝わってくるものがたくさんあって、良質の映画を観ているようなしみじみとした良さがあります。さらに、想いを伝えあってからのペレシャティへのテルデオの不器用な執着にはキュンとさせられます!!
次から次へと謎や事件もあり、飽きることなく最新話まで読んでしまいました。続きを楽しみにしています。
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義家族に執着されています【タテヨミ】