4.0
原作があります。
原作のサブタイトルが好きです。多分世代的には、私と同年代ではないかな。懐かしくて笑う。
メリリッサの悪女ぶりが最後まですごい。
リリコットはやっぱり王妃様に最初からバレていたんですね、そりゃアクィラ様が喜んでましたし。
粛々と伏線が回収されていくラストは楽しい。
メリリッサとリリコットは双子で、その違いに父親すら判別できてなかったのが悲しい。それだけ上辺しか見ていなかったということなのか。
どこまでも堕ちていくしかないメリリッサの今後がどう考えても幸せなものには思えない。
出生届を母親の手によってメリリッサの目の前で、雪のような細かくちぎられて公女としての身分も、庇護してくれていた父親がクーデターによって暗殺されて、次の大公となる人ももう知らないところで母親の手によって既に決まっていた。それは出生を証明するものを失って、今まで生きてきた公女でもない、ただのメリリッサ。そして、次の大公は勿論メリリッサのことではない。
もうこれからを頼る人も国も身分も何もかもを失ってしまった。今隣にいる彼も権利書など利用価値のあるものを何ひとつ持っていないメリリッサのことをこれからも変わらず守ってくれるとは思えない。
対するリリコットとて無傷ではない。第二公女だと偽られていたのに実は自分こそが管理者の権利を有する第一公女だったことを母親から聞かされた。そして、メリリッサの出生届を破いた抹消した。もう虐め抜くメリリッサは姉ではなくなった。
そして、幼い頃からとも慰めてくれていたハンナが実は代理ミュンヒハウゼン症候群で、虐め抜かれて死にそうで苦しそうなところを自分だけ頼られるということに喜びを感じる病気を持つ人だった。
そのため、ハンナから手が離れてアクィラ様に守られて幸せそうになっていくのが許せなかったんだろうと思うけど、傷つけて自分だけにまた泣きついてもらってお慰めするためだけにリリコットを傷つけようと企んで実行し、すんでのところをアクィラ様たちによって救い出されてハッピーエンド。
実は幼い頃から初恋同士だったふたりが小さな恋を叶えた話でもあったんだけど…
原作も素敵なのでおすすめです。
-
0
転生公女は今さら傷つかない 姉の婚約者に嫌われていると思ったのに、溺愛されているようです?