5.0
人としての葛藤と成長に考えさせられる
はじめは昭和のモラハラ男を成敗する話かと思いました。が、主人公勝男が料理上手で3歩後ろをついてきてくれるヒロイン鮎美に去られ、もがき苦しむ中で様々な人の考えに耳を傾け成長していきます。一方おしとやかな鮎美にも葛藤があり、たくさんの新たな出会いで今までの自分を省みます。女性は鮎美に共感するところが大きいのではないでしょうか。つい気づくと周りに期待されるように振る舞ってしまう自分。本当の自分なんてどこにもいないとわかりつつも手探りで前に進もうとします。2人とも俗っぽいのに力強く、決して自分を諦めません。お互いただのいい子ちゃんではなく、人間らしい泥臭い歩みがそこにはあります。鮎美の話でこの物語が何層にも深みを増します。自分も負けていられないなと思わせてくれる良作です。
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じゃあ、あんたが作ってみろよ