5.0
儚いながらも強さが育つ。
長兄や、病気の妹、幼い弟、他の子供ばかりを優先し、カリナへの愛情を感じない両親。無自覚にカリナを粗雑に扱っている為か、使用人や主治医までもが、カリナに対する態度が非常識。
この世界には様々な芸術で奇跡を起こす力を持った人々がいて、その力を使い過ぎると芸術病なる病を発症する。病の症状は芸術の方向性や顕現した力により様々で、命に関わる者も少ないがいるようで…。
カリナの力は描いた絵が(生物、一応人間も出来る様な…)、数時間から数日現実になる。親からの愛情も関心も受けられず、絵を描き実体化した者達から、寂しさや諦め等の気持ちを紛らす内、命に関わる程の病を患い、余命宣告される。親からの愛情を我慢から諦めまで変わった気持ちのカリナは余命宣告により、残り僅かな時間を穏やかな過ごす決意を胸に家を出る。向かう先は顔すら合わせた事も無いが、カリナに興味も抱かないであろうと考え、婚約者の住まう北部へ。
突然の訪問に戸惑い以上の困惑を露わにするお相手だが、カリナの事情は分からなくとも、時折見せる物憂げな表情に気掛かりになり、共に過ごす時間が2人の距離を縮めて行く…。
カリナの家族の無神経さが際立ちますが、お相手の優しさ、カリナが家族からの鎖を断ち切れる強さを身に付けていく過程に胸を打たれる作品です、絵も綺麗で、途中からちょっと同一人物か?と思う様な細やかな作画シーンも多々見受けられる程。
-
1









余命わずかの脇役令嬢