れれれこしゃんしゃんさんの投稿一覧

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21 - 28件目/全28件
  1. 評価:4.000 4.0

    ミステリーのようでいて....

    ミステリアスな導入かと思いきや、愛憎劇を軸とした人間のエゴが渦巻くストーリー展開は、双子姉妹の葛藤を含めて重さとやりきれなさを感じる。小さな島という閉鎖的社会の因習は拭いきれないもどかしさがある。唯一の救いは朝和と凪が目指す島の海洋環境の維持かもしれない。

    その土地特有の因習に囚われることを一概に否定はできないが、それを巧みに利用して私利私欲を追求する人たちに若い三人が巻き込まれ翻弄されるのは悲劇を生み出しかねない。稔はその犠牲者かもしれないが、どこかで踏みとどまって自身を見つめ直してほしいが.....

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  2. 評価:4.000 4.0

    古民家再生の設定がユニーク

    若い女の子が老後の不安と孤独死の恐怖から古民家を買いそこから始まるストリーはかなり斬新かつユニーク。地方再生で若い人が地方へ移住し農業を始めるのも、自分に合った暮らし方を探すのも、とても意味のあることだと思う。

    ただ、古民家の再生は現実的にかなり厳しい側面があるから、よほどの覚悟が必要だし、途中で止めるわけにはいかないから難しいのが現実。放置された家が増えつつある昨今、深刻な問題を含む社会問題にもなりつつあるし。家は締め切りで人が一年住まないと畳はフガフガになるし、一戸建ての場合、家の周りは草ぼうぼうのジャングルになる。かなりの覚悟と尽力と経済力がないと危うい。凸凹コンビの二人が仲良く頑張ることを応援したい。

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  3. 評価:4.000 4.0

    生まれいづる時、私たちは.......

    双子兄妹のあるセリフが心に刺さりました。私たちは生まれる時、時代も、人種も、ジェンダーも、親や家族も環境も何も選べずに生まれる。そのことをあまり深く考えない人もいるが、過酷な幼少期をおくると、この兄妹のように考えざるを得なくなる。そうした幼少期を経て5歳の兄妹は今自力で生きることはできないが、彼らの唯一の救いは二人はテレパスが使え互いに支えあうことができる。

    これから味方が現れるかもしれない。環境が安定すれば学べるチャンスも増え健康的な成長が望めるかもしれない。過酷な過去を引きずるより、今できることやしてみたい事を試すことが彼らには必要なのでは。生まれた時に無かったものを悔やんで後ろ向きになるより、与えられたものを活用すれば道は自ずと開けることを暗示しているようで、これからの展開が楽しみな作品。

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  4. 評価:4.000 4.0

    じれったい!

    公爵はいったいリリエにいつまで隠し通せると考えているのか?真実を伝えたい気持ちと事実を知られたくない状況の狭間で苦しむのは人間の弱さで仕方ないかもしれないが、どこかで決断しないと後で凄い後悔をすることになるかもしれないから早く伝えた方がいいのに、何もたもたしてるんだ!でもそのもどかしさが読者を惹きつけるのかもしれない。

    自分が怪物であることのコンプレックスは怪物でなければわからないから仕方ないけど、政略結婚まがいであってもリリエを大切に想う気持ちを伝えることができたら、勇気を出して乗り越えることができたらいいのに。でも生きているとそういう事ってあるよね。その勇気が持てなくて後々後悔して未練引きずること。だから一握りの勇気忘れないようにしないと。

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  5. 評価:4.000 4.0

    策士策に溺れる

    異能にもかかわらず異能を持たないリーザを敵視し、絶えず陥れようと画策する兄妹の執拗な攻撃はエゴの極み!命まで奪われかねない未来から過去に戻り戦い始めるリーザは、知恵と勇気をフル回転して彼らに挑むのは容易いことではないが、人間追い詰められたら、やるしかない時ってあるよね。そうしなければ生き残れないとしたら戦うしかないのだから。

    策を張り巡らす根性の悪い兄妹はいずれ自らの策によって自爆するような気がする。リーザは復讐というよりも彼らの策を上手く利用し生き延びる未来を考えてほしいと切に願う。誰かを陥れようと画策する者は自ら墓穴を掘って沈んで行くといい。

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  6. 評価:4.000 4.0

    シンデレラ-シンドロームの教訓

    シンデレラストーリーは多くの人に好まれるけれど、このお話はシンデレラ-シンドローム(お姫様になりたい症候群)の典型的な流れを感じる。柚子にとって玲夜は運命の出会いのようだけど、ただの「棚から牡丹餅」でしかない。悲惨な境遇から抜け出すチャンスを無駄にしなかったのは賢いかもしれないが、努力で勝ち取ったものではないので脆さがあるのは否めない。

    素直で優しい柚子と勝気で欲張りで嫉妬深い妹の違いは性格だけで、その他に二人に大きな違いは見当たらない。その性格の違いがストーリーを展開していくから、タナボタで幸運を手に入れた姉を妬む妹の構図が延々と続く。つまりこの姉妹の共通点は、自身の努力ではなくタナボタで出会った男の地位に振り回されて自立した女にはなれないこと、。

    一見華やかなシンデレラストーリーを羨ましがるのは人情だが、羨むことは嫉妬や妬みに変わる危うさを併せ持つ。その危機を回避する賢さを暗示する教訓的な良い作品かもしれない。

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  7. 評価:4.000 4.0

    二面性の罠

    ストーカー被害が多発している昨今、この作品の意味を考えてみました。仁科がした行為は明らかに犯罪です。部屋中に張り巡らされた藤子の写真は明らかにコレクターの執拗な執念の結晶であり、一線を越えた狂気を感じるものです。しかし一方で、ベランダで一日の終わりに藤子とビールを飲みながら語り合う仁科は、紛れもなく好青年そのものです。共存するこの二面性をどう捉えるかは人それぞれですが、この二面性に潜む別の側面(嫉妬深さ、独占欲、懐疑心)が表面化した時、藤子が対応できるかは疑問です。

    藤子は控えめな良い子ですが、困難や理不尽なことを我慢で対処するタイプでのようです。癒しは確かに必要ですが、暫定的な逃げで根本的な解決ではありません。彼女はドメスティックバイオレンス被害女性特有の共通点を持っています。つまり戦って乗り越える女ではありません。

    この二人に対する見解は人それぞれですが、「癒しのお隣さんには秘密~」というよりも癒しのお隣さんの危うさのように思えて。二面性に潜む危うさに対し注意喚起を促す、意味のある作品なのかもしれません。

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  8. 評価:4.000 4.0

    紙一重の危うさ

    タイトルの暗示する気配を考えながら作品を読んでみました。主人公の忍は高校時代から一途に和華に惹かれていて、目的を達成する為、エリートとしての海外勤務から地元への転勤をし、数年計画のプロジェクトを虎視眈々と計画実行するあたりある種の危うさを感じます。

    和華にルームシェアを提案する際も、綿密で周到な準備と経済力を駆使して和華の承諾を得るあたり、一途な思いと一瞬の狂気の紙一重の危うさを感じます。彼はストーカーとは違いますが、彼の強い執着心が何に由来するものなのか気になります。

    告白後、断られても決してめげないこれからの展開は興味深いし、もしかしたらハッピーエンドかもしれないけど、個人的には、忍は全ての努力が報われず泣くこともありかと.....もし和華が彼の綿密な計画の全てを知ったらどんな風に思うのか?人それぞれかもしれませんが。

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