れれれこしゃんしゃんさんの投稿一覧

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91 - 100件目/全118件
  1. 評価:5.000 5.0

    毒母というよりも......

    日本の風土に潜む負の側面の悲劇を見ているような気がしてなりません。協調性を重んじた慣習の中で、はっきりNOと言えない社会性が生み出す狂気のようなものを感じます。あまり好きでない人やむしろ嫌いな人とも何とか上手くやっていこうとするあまり、無理な我慢を繰り返し、その積み重ねの重さに耐え切れなくなり、思いもかけない悲劇へと突き進んでしまう恐怖が赤裸々に描かれています。

    計画性は無くとも、咄嗟の判断で突き落としたにしても、その背後には鬱積された苛立ちがあったはずです。ましてやまだ幼い息子まで巻き込んだことは取り返しのつかない事にもかかわらず、穏やかなたたずまいに戦慄が走ります。これはフィクションではあるけれど、似ていることは少なからず存在するかもしれないと考えると恐ろしいかぎりです。

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  2. 評価:5.000 5.0

    ありのままを受け入れる事の難しさ

    障害を持つ子供の親の苦労や社会の無理解は当事者でなければわからない点が多いと思います。理解を試みようとする時、ただ感情移入をすれば良いというものではありません。他者の立場で考え行動する事は口で言うほど簡単ではないから。

    一生懸命頑張っている親御さんに対して、「偉いね、頑張って」と無意識に言葉にすることは励ましではないと思います。現実を知らない者が迂闊に言葉にする危うさを感じます。

    では現実を知らない者はどうしたらいいのか?私はまず冷静にゆっくり見つめてみます。そして静かに見守ります。そしてもし何か尋ねられたら、自分のできることをします。できないことは正直にできないと伝えます。ありのままの誰かを受け止めることは、自身もありのままでいたいと思います。

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  3. 評価:5.000 5.0

    ビアンカの成長物語

    不幸な未来の予知夢から18歳に戻り人生をやり直すビアンカは二度目の人生でやっと精神年齢が実年齢に届いた感じです。未熟で視野が狭くわがままな少女が大人の女性に変わっていく過程が丁寧に描かれています。それを我慢強く見守る夫である伯爵の寛容さと味方を少しづつ増やしていくビアンカの関係性がキラリを光ります。

    夫への愛情を確認し、自国の産業の育成にも貢献していく姿は女性として、妻として、人間として逞しく、しなやかなしたたかさをもった大人の女性になりました。心を開き視野を広げ、夫を信じ子供を慈しみ、何事にも動じない戦える女性になりました。よかったねビアンカと言ってあげたい気持ちです。

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  4. 評価:5.000 5.0

    心の機微を丁寧に描いた作品

    中学卒業前に両親を事故で失う姪の朝に対して槙生のストレートな正直さが潔い。いきなり保護者になってしまった彼女の戸惑いと恐れが交錯する様が丁寧に描かれて、朝の純朴さと槙生の繊細さが溶け合っていく過程の描写が素晴らしい。

    日常のさり気ない描写の中に優しさと安らぎが感じられ、この二人を取り巻く人たちの暖かさが伝わってくる。槙生の元カレの存在がとても良い。まだまだ誤解や勘違いは起こるかもしれないが、この二人が分かり合えることを切に願う。いずれ槙生と朝の母との過去の関係が明らかになるだろう。これからの展開が楽しみで目が離せない作品。

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  5. 評価:5.000 5.0

    日本人の危機管理意識は?

    活断層が縦横無尽に走る小さな島国に生きる私たちの危機管理意識を問う意味のある作品です。今はオリンピックに浮かれ、その前は大谷君のニュースに喜んで平和ボケした私たちは未曾有の危機を乗り越えることができるでしょうか?この作品に描かれている以上の被害と損失があるかもしれないと考えるのは私だけではないと思います。

    しかし自然災害の被害の深刻さは体験した人しかわからないことが多く、ニュースで見ても他人事のようにしか認識できないのが現実です。だからといって、いつ起こるかわからない自然災害に絶えずビクビクして暮らすわけにもいきませんが、絶えず頭の片隅に災害に対する対応力と覚悟を持つことの大切さを示唆し、警告する有意義な作品だと思います。

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  6. 評価:5.000 5.0

    ミステリアスな魅力の正体は?

    「何があっても生き抜いて」それだけを心に誓って生き延びるダオンは得体の知れない魅力を放ちエクサーを虜にする。徹底したダオンの働き方にエクサーは驚きを隠せず、安易に手を出せない。いったいダオンの正体は?彼女の生い立ちは?多くのミステリアスな疑問と共に物語は展開する。

    ダオンの凛とした佇まい、賢さ、美しさもさることながら、その意志の強さは隙が無い。その徹底した立ち振る舞いの全ては何に由来するものなのか非常に興味深い。ミステリアスだからこそ余計惹かれることはある。分かってしまうと納得して未知の魅力は跡形もなく蒸発するように消えてしまう事もあるが、ダオンの中に潜む彼女の底力と行動力を見てみたいし、タイトルが意図するものは歓びか悲しみか?これからが楽しみな作品。

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  7. 評価:5.000 5.0

    アングルを変えると見えてくる事実

    タイトルから感じる重さは、ストーリーが進むにつれて人の心の深いところにたどり着くような深みのある作品です。それぞれの立場から見える風景は人によって違い、別のアングルから見てみると全く違う人間関係が浮かび上がる心象風景の描き方が素晴らしいと感じました。

    年月を経て築かれた関係性も共有できる部分もありますが、自分と他者では感じ方に違う場合があり、その時に誤解や勘違いが生じたまま時が経つと心にしこりができてしまうのは仕方ないことかもしれません。日常の些細なことも含めて、自分らしく生きることの大切さや他者との関係性の築き方など学ぶことが多い意味深い作品です。

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  8. 評価:5.000 5.0

    不思議で素敵な作品!

    ほぼ拉致同然でかくりょに連れてこられたのに葵はそこで生きようとする。祖父の借金のかたに嫁がねばならない身の上にもかかわらず、逃げようとはせず自分のできることを試みる。現世への未練が全く無いわけではないが、妖相手にも絶えず前向きで、とりあえずここで頑張ろうとする姿勢が潔い。

    葵と祖父以外の登場人物は全て妖だが、読んでいて違和感が無く、信頼関係を築く掟や困難に立ち向かう勇気と決断が描かれているところが心地良い。別世界の話なのだが、自然と読み続けたくなる不思議さがある。葵と妖たちにとって、祖父の存在の大きさが明かされるのが楽しみな作品です。

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  9. 評価:5.000 5.0

    瑠火の教えに感動!

    瑠火は息子の杏寿郎に対し
    「生まれついて、人よりも多くの才に恵まれた者はその力を世のため人のために使わねばなりません。天から賜りし力で人を傷つけること、私服を肥やすことは許されません。弱き人を助けることは、強く生まれた者の責務です。責任をもって果たさなければならない使命なのです。決して忘れることなきよう。」

    瑠火の人生哲学は noblesse oblige フランス語でノブリス オブリージュ、英語で noble obligationそれは恵まれた才能や環境に生まれた者は、そうでない人を支え、導き、助ける社会的責務を使命とするという意味です。これは古代ローマ時代から西洋における崇高な道徳観の一つです。大正という時代に生きた瑠火の生きざまに心打たれました。

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  10. 評価:5.000 5.0

    62話 キリアンとデイジーの言い分

    キリアンの言い分は男の本音でしょうか?「骨盤が痛く筋肉痛」と言っても受け付けず、まるでお構いなし。本当はデイジーにもっと近づきたいし、彼女の役にたちたいし、もっと頼られたいのに上手く伝えることができず、どうしても強引なやり方になってしまう。素直に気持ちを表せないのが哀れで面白い。

    デイジーもキリアンには好意以上のものを感じ始めているのに、前世のトラウマから抜け出せず、強いコンプレックスとなり臆病な自分を乗り越えることができないから、意地を張って逃げの一途。二人とも自身を見つめて素直になって、正直な気持ちを伝え合えばいいのに、意地の張り合いが面白い!でもこの二人多分ハッピーエンドになるような気がする?

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