5.0
障がいがあってもなくても
軽度の知的障がいであるが故に、ほんのちょっとしたこと(当人にとってはちょっとしたことではない)で階段を転げ落ちるように取り返しのつかないことをしてしまう。障がいがあってもなくても、そんな心の隙は誰にでもあるのかもしれません。被害者本人やその家族からしたら、障がいがあるなし関係なく罪を償ってほしいと切に思います。
しかし本作を読むと、障がいが犯罪に至る原因の一つであるとすれば、周囲の理解やサポート、自分はここにいても良いんだという安心感が少しでもあれば、犯罪を抑止出来たかもしれないということ、やり直せる可能性が充分にあるということが伺えます。それはきっと、障がいなど関係なしに誰しもに言えるのではと思います。
18話まで読みました。教師に暴力をふるって少年院に収監された少女が出産を経て厚生するまでの過程が、淡々と綴られています。母となった少女の服をぎゅっと掴む娘、二人の晴れやかな未来を見てるまっすぐな目は、心を打ちます。犯罪は許されないことです。私達にできることは、理解しようとする気持ちと、ほんのちょっと誰かに優しくすることだと思います。そうしたら自分や誰かの未来は変わるかもしれないなと感じました。ありがとうございました。
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ケーキの切れない非行少年たち