皇帝が妹に対してやたら冷淡なのは、母親が平民だから、という理解で良いのだろうか。
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皇帝が妹に対してやたら冷淡なのは、母親が平民だから、という理解で良いのだろうか。
「ご趣味は何ですか?」
「姉をいたぶる事です」
もっと有意義な人生を送ろうよ、マリナ。
城の嫌われ者だったダオンだけど、ちゃんと心配してくれる人もいたのね、としんみりしていたら、例の王女様が始動。平穏を求む。
閣下が色々気を回しているのは分かるが、取り敢えず話し合おうか。形だけの夫婦だとしても、どこまでのラインを守るのか、合意の形成をお願いします。仕事だったらそういう風に動くんだろうに、プライベートになるとその辺りが急に鈍くなる人がいるけど、あれは何なのだろうか。
知らない奴が謎に手を差しのべてきたら、何だこいつ、とちょっとは疑おうよ。色々と凝り固まっているマリナが、逆に可哀想になって来た。そもそも母親が悪い。何事も気の持ちようなのに。
エレナの恩恵を受けるのは金持ちだけ、という話が前に出てきた。仮に事実だとしたら、恐らくは親の差し金だった筈。彼女は大事な金蔓だったかもしれない。
父親は、失声といじめの因果関係が分かっていないから、エレナだけを役立たずと責めたのだろうが……その前に、世間で広まっているエレナの悪評の発端がマリナだと、分かっているのだろうか。
婚約者の用意したドレスがしょぼい、とマリナは怒っていたが、エレナが子爵家にもたらしていた(かもしれない)利益をふいにして、自己保存を優先したのは自分なわけで、文句を言える筋合いではないよな。
マリナと母親がエレナをいじめまくったのって、もしかして歌姫の力を削ぐため? 歌姫として世間から大事にされるエレナが妬ましかった? だとしても、他にやる事あるだろうよ。折角美人なのに、そのちゃちな自尊心のせいで何一つ成長できず、自らの可能性を棒に振っている。なんて勿体無い生き方なんだ。
第2部の冒頭が、ここにつながるわけね。捨て身だな、バルト。
刺繍って、貴婦人のたしなみの筈では? 貧乏臭いって何だ? あの元婚約者は、マリナの顔が好みなのと、性格が悪い同士で気が合ったのかと思っていたけど、実は結構猫被っていたりするのだろうか? 姉を苛めることにばかり注力して、淑女教育疎かにしている疑惑。
夫のデレが意外に早く来たな。
アルタスの東風
093話
アルタスの東風(92)