話の焦点が、マーシャに嫉妬心があるか否か、という時点で話にならないよな。物的証拠がないなら周囲の証言に頼るしかないのは当然として、正式な調書も取らず、証言の裏取りもせず、その証言の内容を仲間内で協議せずに特定の個人が独占し、その事を誰も疑問に持たずに見切り発車で事を進め、上官に相談も打診もなく、書記官を同席させようともせず、密室で全て完結させようとした事がそもそも問題なわけで、そんなの受理されるわけなかろう。
これは第4騎士団の総意だと言われた時点で、隊長の私が何も聞かされていないのに総意も何もなかろう、と叱り付けるのがラウルの立場の筈なのに、半分流された結果、自分の首を絞めたよ。
大体、婚約者に他に好きな女がいるからといって、その女にも婚約者がいて、愛し合う2人が結ばれ得ない状況で、マーシャが婚約を維持し続けるのがそんなにおかしな事だろうか?
ラウルが婚約解消を申し出ていて、それをマーシャが突っぱね続けている、というなら、諦めの悪い女だな、と呆れられはするだろうが、だとしても、「淑女の風上にも置けない醜女」呼ばわりされるほどひどい行為とは思えない。
誰か1人でも、「コールデン卿、あのマーシャという女、いつまでもあなたと婚約者という立場にしがみついて、さぞご迷惑でしょう」と確認したの? 直接言われないのを良い事に、黙りを決め込んでいたラウルにも勿論問題はあるが、周りの人間の認知がなんでこうも歪んでいるのか、そちらの方が不思議だ。
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裏切られたので、王妃付き侍女にジョブチェンジ!
019話
来る未来の予期せぬ結末(1)