5.0
愛し合う二人の永遠のテーマ
とても素敵な物語です。中世ヨーロッパ風だけど、魔物が棲む架空の世界が舞台で、一見、ロマンチックな愛の物語の様ですが、話が進むにつれて、とてもリアルな、昔から現代まで、洋の東西を問わず恋人同士や夫婦、愛し合うパートナーとの間に起こる悩みや諍いが描かれていて、その深さに引き込まれます。そして何より、どんなに分かり合えなくて苦しんでも、比翼連理の様に引き裂くことのできないふたりのつながりに心動かされて、読み続けてしまいます。リフタンが少年時代に初めてマクシーを見た時、孤独な彼女の寂しさを自分のことの様に錯覚してしまった時、そして子供だったマクシーがリフタンに花輪をプレゼントした時から、ふたりはこの世でふたりきりのふたり。「愛とは孤独なふたりが見つめ合い信じ合い互いの心に迎えあうこと」そんな詩を思い出しました。
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オークの樹の下