4.0
イラっとする理由
著者の作品には周囲に迷惑をかけがちな女性キャラが登場する。
動物のお医者さん…主人公の先輩、大学生
おたんこナース…新人看護師
チャンネルはそのまま!…新人記者
彼ら(ふたりは社会人だが)は、未だ勉強中で、指導を受ける立場にある。
本人たちもその自覚があり、時に納得できなくても、キッチリ叱られている。
この「キッチリ叱られる」ことが非常に大切で、
読者も「こんな子自分の周りにいたら大変だわ」と思いながらも、気持ちを落ちつかせることができる。
クレームがある時、自分が怒るより強く、失敗した子の指導者(教師や上司)がその子を𠮟りつけたら、
「まあ、まあ、そんなに怒らなくても。本人も反省してるようだし…」となる、アレだ。
一方、本作の主人公は、物語の舞台である料理店のオーナーである。
中身はともかく、一番偉い人である。
オーナーよりお客様が偉いと思うのだが、そうは思っていないようである。
読者がどんなにイラついても、「キッチリ叱られる」ことは無いのだ。
これが「イラっとする理由」だと思う。
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Heaven?