この作品の中でも、トップクラスのおもしろい話だと思う。
四宮は、最初の美冬の男がクズだと思い込み殺害した。そこにこの男の至らなさがある。自分より強いものしか認めていない、優生思想を拗らせてしまったような、そんな哀れを感じる。
柔道で挫折しそれを受け入れているように見えて、受け入れることができていない苦悩を、美冬と美冬の男に押し付け殺害にまで及んだ。
元々勝利したい欲、支配したいだけの欲の元にこのエロスがあり、そこを歪んだ認知が愛と思ってしまう。
美冬の怒りと復讐は、まさに真珠のような愛。
同じ場所で語れるものではない。
文学だ、非常に面白かった。
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エロスの種子
066話
#23【真珠】(3)