5.0
どんな年代の人にも
弓弦と花の命がけの恋に心が震えました。
小さい頃のまだ恋とも呼べない関係。
別れなければならなかった経緯。
弓弦の本当の父親や義母との確執。
再会した時、弓弦の喧嘩三昧の後女の子を抱きまくっていたことなど。
それでもどんなことがあろうとも弓弦を想い、揺るがなかった花の一途な愛。
見た目からは想像もできないほどの強さと、そこからくる優しさ。
花を通して自分の生活を見つめ、そして自分を取り戻していった弓弦。
花を愛することで強くなるがその分弱くもなる弓弦。
愛はもろ刃の刃だった。
二人の背景や性格が丁寧に描かれ、周りの人物も丁寧に描かれている。
その中でも弓弦が上京してきた頃、お互いを支え合ったルカ。
大怪我をさせてしまった昴の事など、読みごたえは十分です。
ほぼ2年間だけど、中身がとても濃くていろんな出来事を通して二人の絆は強くなっていく。
花の異母弟の光くんの存在が、花と弓弦をいい感じに繋げてくれた。
ある日昴絡みで偶然弓弦は花に大怪我をさせてしまう。
花は意識が戻らず、弓弦は死ぬほど自分を責め、消えそうになるが、目覚めた花は弓弦を欲します。
花は弓弦から預かっていた合鍵で、弓弦の部屋を訪れ彼を待ちます。
そこへ昴にぼこぼこにされた弓弦がやっと帰って来ます。
本来なら弓弦の女性遍歴やこの怪我の事など聞きたい事は沢山あると思うのに、それを全て受け入れ弓弦を愛する花に感動すら覚えました。
お互いが強く求め合い、抱きしめ合い、やっと心からの愛を貫き結ばれます。
もう、涙なくては読めませんでした。
花が可愛くて、弓弦が悲しくて、二人が切なすぎて泣けます。
花は自分の将来を看護師になることで、弓弦を支えていきたいとも思ったでしょう。
弓弦はやっと医師になることを選択します。
だけど自分の故郷にある国立大を選びました。
ここにも弓弦の頑固さというか意地が垣間見えたような気がしました。
「迎えに来るから待ってて」と言う弓弦にきゅんときました。
最終回、ルカとの会話が大部分を占め、花の存在が希薄でした。
ここはやっぱり花でしょう。
抱きしめてキスくらいして欲しかったな。
五年後の番外編も見つけて読みました。
先生、どうかそのあとの続編あるいは番外編を是非お願い致します。
こんな素敵なお話を本当にありがとうございました。
いい年をして夜明かししました。
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僕に花のメランコリー